養生訓 巻第七 用薬 鳳凰堂流解釈㉒
原文を現代文に改変
李時珍も、補藥に少し附子を加うれば、其功するどなりと言えり。虚人の熱なき症に藥力をめぐらさん為ならば、一服に5釐か一分加うべし。然れども病症によるべし。壮人には忌むべし。
鳳凰堂流意訳
李時珍も、補薬に少し附子を加えれば、その効果は鋭くなると言っている。
虚証の人で熱がない症に薬を巡らせる為には、一服に5釐か一分加える。
しかしこれは病症による。
実証の人には禁忌である。
鳳凰堂流解釈
現代の病院では本当の虚証は少なく、
実証から虚証に転じているか、そもそも実証の方が多いと感じています(私の診療範囲では)。
膈を詰まらせる事ができるなら、ピンポイントでその詰まりを抜く事ができれば、急なるはその標を治せますが、様々な手が加わっていると引き算は難しくなります。
昔は壊病(えびょう)、今は医原病と言われる類。
鍼でもこの点はいつも考えるところです。
その人の心、感情も大切ですが、身体の期限には限りがあり、養生を伝える事が1番の薬になります。