養生訓 巻六 慎病 鳳凰堂流解釈㉙
原文を現代文に改変
頓死の症多し。
卒中風、中氣、中悪、中毒、中暑、凍死、湯火、食傷、乾霍乱、破傷風、喉痹、痰厥、失血、打撲、小児の馬脾風等の症皆卒死す。この外又五絶とて五種の頓死あり。
一には自(み)くびる。
二にはおしにうたる。
三には水におぼる。
四には夜厭(おそ)わる。
五には婦人の難産、これ皆暴死する症なり。
常の時方書を考え、又その治法を良醫に尋ねて知りおくべし。かねて用意なくして、俄に処置を失うべからず。
鳳凰堂流意訳
急性の死の症状は多い。
卒中風、氣当たり、中悪、中毒、暑気当たり、凍死、湯の火、食傷、乾霍乱、破傷風、喉痹、痰厥、失血、打撲、小児の馬脾風等の症状は全て突然死する。
この外又五絶という五種の突然死がある。
一は自殺。
二はおしにうたる。
三は水におぼれる。
四は夜厭(おそ)われる。
五は婦人の難産。
これらは全て突然死の予兆である。
何もない時にマニュアルを見て考え、又その治療法を良医に尋ねて知っておくと良い。
事前の用意がないと突然処置する事になった時に我を失う可能性がある。
鳳凰堂流解釈
中悪その他、医学用語に関しては、説明に紙幅がかかる為、置いておきます。
ここでの要は、『喉が渇いてから井戸を掘ったり、戦争が始まってから武器を作っても遅い』と言う事。
事前に突然起こる死症を知っておき、対策を練っておく大切さが語られています。
その点現代ではAEDがある程度有用かもしれません。