養生訓 巻六 慎病 鳳凰堂流解釈⑱
原文を現代文に改変
夏月古き井、深き穴の中に人を入るるべからず。毒氣多し。古井には先ず鶏の毛を入れて、毛舞い下りがたきは是毒あり、入るべからず。火を燃やして入れて後入るべし。又醋を熱く沸かして多く井に入れて後人入るべし。
○夏至に井をさらえ水を改むべし。
鳳凰堂流意訳
夏に古い井戸や深い穴の中に人を入れてはいけない、毒気が多い。
古井戸には先ず鶏の毛を入れ、毛が舞い下りにくければ毒があるので入ってはいけない。火を燃やして入れてから入る事。
又醋を熱く沸かしてたくさん井戸に入れてから入る事。
○夏至には井戸をさらえ水を改めるのが良い。
鳳凰堂流解釈
井戸については、神社や田舎でたまに使う事がある程度なので詳細は不明ですが、
夏は伏陰があり、地中は地表よりかなり冷たくなっています。
その為、この毒気の一つは冷気を表し、
この冷気よりも温かい気は上昇する為、不純な気が混ざっていれば鶏の毛、羽根は温かい気に当てられて中々下へ降りないのでしょう。
夏至は六十四卦では天風姤に当たります。
卦辞は『姤,女壮。勿用取女』
直訳すると、姤は女性(陰)が強い事を表している。関わるな。と言ったところでしょうか。