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養生訓 巻五 洗浴 鳳凰堂流解釈⑤
原文を現代文に改変
浴湯の盥の寸尺の法、曲尺(かね)にて竪の長二尺九寸、横のわたり二尺、右何もめぐりの板より内の寸なり。ふかさ一尺四寸三分、めぐりの板あつさ六分、底は猶厚きが良し。ふたありて良し。皆杉の板を用ゆ。寒月は上とめぐりに風をふせぐかこみあるべし。
盥浅ければ風に感じやすく、冬は寒し。夏も盥浅ければ、湯あふれ出て悪しし。湯は冬も深さ六寸にすぐべからず。夏はいよいよ浅かるべし。
世俗に水風爐とて、大桶の傍に銅爐をくりはめて、桶に水ふかく入れて、火を炊き湯をわかして浴す。
水ふかく湯熱きは身を温め過し、汗を發し氣を上らせへらす。大いに害有り。
別の大釜にて湯を沸かして入れ、湯あさくして熱からざるに入り、早く良くしやめて、あたため過さざれば害なし。
桶を出んとする時、もし湯ぬるくして身温まらずば、くりはめたる爐に火を少し炊きて良し。
湯あつくならんとせば、早く人去るべし。この如くすれば害なし
鳳凰堂流意訳
入浴に使うたらいの寸法を定規で測ると、縦の長さ約87cm、横のわたり約60cm。これは内の寸法である。ふかさ約43cm、板の厚み約1.8cm。底は厚い方が良い。
蓋はある方が良い。全て杉の板を用いる。
寒い月は上と周囲に風をふせぐかこみがあると良い。
たらいが浅ければ風に感じやすく、冬は寒くなる。夏もたらいが浅ければ、湯があふれ出るので良くない。
湯は冬も深さ18cmを超えないようにする事。夏は更に浅くすること。
世俗では水風爐(すいふうろ)と呼ばれる大桶のそばに銅の爐をくくりつけてはめ込み、桶に水をふかく入れて、火を炊き湯をわかして入る。
水ふかく湯が熱い場合は身を温め過ぎ、汗が出ると氣が上がり気が減る為、大いに害がある。
別の大釜に湯を沸かして入れ、湯をあさくして熱くないようにして入り、早目に入浴を止め、あたため過ぎなければ害はない。
桶を出ようとする時、もし湯がぬるく身体が温まらなければはめてある爐に火を少し炊けば良い。
湯があつくなるようであれば、早く出ると良い。このようにすれば害はない。
鳳凰堂流解釈
現在とはかなり道具も考え方も異なる為、参考程度で良いと思います。
身体が芯から温まらなければ、お風呂を出ると直ぐに冷えてしまうので、その点は注意が必要です。