養生訓 巻六 慎病 鳳凰堂流解釈⑰
原文を現代文に改変
六、七月酷暑の時は、極寒の時より元氣減り易し。よく保養すべし。
加味生脈散、補氣湯、醫學六要の新制清暑益氣湯など、久しく服して元氣の發泄するを収斂すべし。
一年の内時令のために藥を服して、保養すべきはこの時なり。
東垣が清暑益氣湯は濕熱を消散する方なり。純補の剤にあらず。それ病なくば服すべからず。
鳳凰堂流意訳
六、七月酷暑の時は、極寒の時より元氣が減りやすいのでよく保養すべきである。
加味生脈散、補氣湯、醫學六要の新制清暑益氣湯など、長い間服用する事で元氣が発散したり漏れるのを収斂する方が良い。
一年の内、季節の暑さに対応する為、薬を服用して保養すべ時はこの時である。
李東垣が創始した清暑益氣湯は濕熱を消散する方であり、純粋な補剤ではない。病でなければ服用してはいけない。
鳳凰堂流解釈
酷暑の時は流石に身体の対応が間に合わない事が多い為、
加味生脈散、補気湯や医学六要に記載されている新制清暑益氣湯などの服用を推奨しています。
清暑益気湯は人参、白朮、蒼朮、神麹、青皮、麦門冬、陳皮、黄耆、黄柏、当帰、五味子、甘草、沢泻、升麻、葛根、棗
方義は手足太陰陽明に影響を与え、益気固表、健脾、除湿清熱等を行う事。
新制清暑益氣湯は人参、蒼朮、麦門冬、陳皮、黄耆、黄柏、当帰、五味子、甘草
方義は益気生津、清熱化湿。