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鍼灸大成 巻一 鍼灸直指 鳳凰堂流解釈⑫


原文

諸治熱病,以飲之寒水,乃刺之,必寒衣之,居止寒處,身寒而止也。

熱病先胸脅痛,手足躁,刺足少陽,補足太陰,病甚者,為五十九刺。

熱病始手臂痛者,刺手陽明、太陰,而汗出止。

熱病始于頭首者,刺項太陽,而汗出止。

熱病始於足脛者,刺足陽明,而汗出止。

熱病先身重骨痛,耳聾好瞑,刺足少陰,病甚為五十九刺。

熱病先眩冒而熱,胸脅滿,刺足少陰、少陽亦井榮也。

太陽之脈,色榮顴骨,熱病也榮,也。榮未交,曰今且得汗,待時而已待時者,謂肝病待甲乙之類也,與厥陰脈爭見者,死期不過三日外見太陽之赤色,內應厥陰之弦脈,是士氣已敗,木複狂行,故三日死。

其熱病內連腎,少陽之脈色也病一作氣。少陽之脈,色榮頬前熱病也。榮未交,曰今且得汗,待時而已,與少陰脈爭見者,死期不過三日。

熱病氣穴,三椎下間主腦中熱,四椎下間主鬲中熱,五椎下間主肝熱,六椎下間主脾熱,七椎下間主腎熱,榮在 也,項上三椎陷者中也。頰下逆顴為大瘕,下牙車為腹滿,顴後為脅痛,頰上者,鬲上也。

鳳凰堂流意訳

熱病の治療は冷たい水を飲ませる事。つまり、鍼であれば泻法したのち服を薄着にし、身体を冷やせば熱は止まる。

熱病は先ず胸脇の痛み、手足の置きどころがないと言うような症状があれば、足少陽、足太陰に取穴する。

病が酷ければ、五十九刺を行う。

熱病で手腕の痛みが始めにあれば、手陽明、太陰に施鍼し、汗が出れば止める。

熱病の始めが頭首であれば項の太陽経に施鍼し、汗が出れば止める。

熱病が足、脛から始まるなら、足陽明に施鍼し、汗が出れば止める。

熱病で先ずは身体が重く、骨が痛み、耳が聞こえず、良く目が見えなくなるようであれば、足少陰に施鍼し、酷ければ五十九刺を行う。

熱病で先ずはボーっとして、胸や脇がいっぱいに詰まっているようなら、足少陰、少陽に施鍼するか井榮に施鍼する。

太陽の脈の異常は顔色、榮が頬骨に出る。熱病も榮。

榮がまだ出ていなければ汗が出れば良いので、時を待って時が来れば施鍼する。

いわゆる肝の病で甲乙を待つようなものである。

太陽と厥陰の脈が争っていれば、死期は三日以内、外では太陽の赤が現れ、内では厥陰の弦脈が出る。

これは土気が既に敗れ、木気が異常に流れ出す為であり、相生相剋を3つ回るうちに死ぬ。

熱病が腎に繋がると、少陽の脈の状態が色榮として頬に現れる。

榮がまだ現れなければ、汗をかけば良いので、時を待つ。

少陰の脈が太陽の脈と争えば、死期は三日以内。

熱病に関する経穴は、

胸椎3番〜4番の間が脳中の熱を治す。
胸椎4番〜5番の間が膈中の熱を治す。
胸椎5番〜6番の間が肝の熱を治す。
胸椎6番〜7番の間が脾の熱を治す。
胸椎7番から8番の間が腎の熱を治す。

榮は熱の状況を表し、項の上三椎(頚椎4番〜5番)の中にある。

顔では頬下から頬骨まで
下顎骨は腹満、
頬骨の外は脇痛、
頬骨の上を膈上としてみる。

鳳凰堂流解釈

熱病の診断と治療について詳細にかかれています。

鍼灸治療としては最初に学ぶのが良いかもしれません。

但し、素問には

胸椎3番〜4番の間が胸中の熱を治す。

と書かれており、この違いを理解するには周易を学ぶ必要があるかもしれません。

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