3000m級の高い山に登るために、必要な筋肉とトレーニング
3000m級の高い山に登るために必要な身体作りについて、まとめたnoteです。
登山がしたくても、ブランクがあって登山体力が低下してしまったり、年齢による衰えは起こりえます。その一方で、高齢になっても3000mを超える山に挑戦できるのが登山の醍醐味のひとつです。
そこで、登山体力をつけるために必要なトレーニングはなぜなのか、また高齢になっても登山に挑戦し続けられるのはなぜか、調べたことをシェアします。
登山では使う主要な筋肉
まず筋肉の種類について、速筋と遅筋の二つに分けられます。短距離走などに使われる瞬発力の筋肉が「速筋」、マラソンなどに使われる持久力の筋肉が「遅筋」です。登山で主に使う筋肉は遅筋になります。
遅筋は太くならないので、登山家やマラソンランナーがとてもスリムなのはそれが理由です。また加齢のよる衰えが起きにくいのが遅筋の性質です。
次に、登山で使用する筋肉の部位についてです。
登りで使うのは、脊柱起立筋(背骨の左右の筋肉)、大殿筋(お尻の筋肉)、 大腿四頭筋(太ももの筋肉)、腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の4つが主に使われます。
また下りは、腹直筋(腹筋)、大腿四頭筋(太もも)が使われます。それぞれの筋肉の性質についての解説は省略します。
登り下りともに、太ももの筋肉が使われます。ただ、下りの方が体重がかかり筋肉使用量が多くなります。下りで膝や足首にダメージがいくのはそのためです。
心肺機能について
心肺機能とは、肺による酸素の摂取と各部への酸素の供給能力などの機能のこと言います。
登山で最もしんどいイメージとしてあげられるのが、息が切れることのしんどさだと思います。これは酸素が筋で使えていないことにより起こり、また筋肉に対しても酸素供給が足りていないので、乳酸が溜まる、貧血の原因にもなります。
3000m級の登山を行うために、使う筋肉と心肺機能の二つを鍛える必要があります。
筋肉と心肺機能のトレーニングについて
これまで筋肉と心肺機能について知識をつけたうえで、トレーニング方法はシンプルです。
「ひたすら山に登ること」です。"山に登るために山に登る"、頭がおかしくなりそうですが、3000m級の高い山に登るためには、それと同等かそれ以下の山に登ることが一番の効果を発揮します。「その運動のトレーニングは、その運動をする事が一番良い」ということです。
今まで見てきたような筋肉は、平地で鍛えるのは不十分です。平面を前に進むための筋力と、重力に反して上に進むための筋力は異なるためです。最も効率の良いトレーニングとなるのは、「山に登ること」です。
そのなかで、筋肉を鍛えるには、重い荷物を背負ってゆっくり登る、心肺機能を鍛えるには、軽い荷物で通常より早いペースで登ることでそれぞれ高められます。
これまで述べたような知識がなくても、登山を楽しんでいれば、自然と体力がついてくるものですが、使用する筋力、登り下りで使う部位の違いなど理解することで、より歩くということに対して楽しめると思います。
高齢になっても登れるのはなぜか
20代の自分がぜえぜえ疲弊しているなかで、60,70歳の方が息を切らさず追い越していくことは登山においてよくあることです。それはペース配分と歩き方が優れていて、長年のトレーニングの賜物です。
登山をしたことがない人を連れていくとき、体力的な心配を過剰にされる方がいますが、登山は短距離走のような高出力の運動ではなく、散歩のような低出力の運動を長い時間行うものです。実際に登ってみたら、案外行けたというパターンも多いです(もちろん油断は禁物)。息が切れることからしんどいイメージがついているんだろうと思いますが、一歩ずつ歩き続ければ必ず登頂できるのが登山です。
また登山テクニックとして、息が切れる時点でハイペースで身体へのダメージが増えるのでペースを落とすこと、高い段を一回で登るよりも歩数が増えてもいいから小股で歩くこと、など細かい技術があります。
上級者と登山に行くと、なぜこんなに余裕そうなんだ、と思うことも多いですが、たくさん考えてることを聞いて、知識と経験を吸い取りましょう。
登山に合わせた身体作りをしていこう
私自身、生涯を通して登山をする心持ちなので、今回あげた知識とトレーニングを頭に置きながら取り組んでいこうと思います。これはなぜやるのか?どこの能力を使っているのか?と原理を理解することは、より物事を楽しむことに繋がり、深い喜びを得られると思っています。
全国の名峰、世界のロングトレイルを歩いていくぞ〜。
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