養生訓巻第一 貝原篤信篇録 総論上 ⑨ 鳳凰堂流解釈
[原文を現代文に改変]
見る事、聞く事、飲み食う事、好色を好む事、それぞれ人によって好む欲がある。
これを嗜欲と言う。
嗜欲とはそれぞれが好む欲である。
欲は貪るもの。飲食色欲などを堪えずしに、貪り欲しいままにすれば、節度を過ぎて、身体を壊すだけでなく、礼儀に背く。
あらゆる惡と言われるものは全て欲を欲しいままにするから起こる。
耳目口身体の欲を忍んで、ほしいままにしないのが欲に勝つ道である。
諸々の善は、全て欲を堪えて、欲しいままにしないことから起こる。
従って忍ぶと恣にするとは、善と悪とが起こる本である。
養生を行う人は、ここに心を砕き、恣になる事を抑えて、欲を堪える事を重要視すべきである。
恣の一字を取り去って、忍の一字を守るべきである。
鳳凰堂流解釈
今まで何度も書いてきました。
これは素晴らしく立派な教えですが、志がない、分からない人がいきなりここを掴むのはとてもハードルが高いので、鳳凰堂流は先ず、何となくこれをした後は身体が楽であるとか、今までしていたことを止める、減らす事で一日後或いは数日後から楽になると言った自覚できる感覚を大切にしています。
古典の読み方も同じように、理解できたら実践し、検証し、今の自分にはどうなのかを考え、その後に人にとってこれはどういうことなのかを考えると、本質に近づく、或いは古典の著者の気持ちや著者が行き着いていないところまでいけると考えています。
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