![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118584421/rectangle_large_type_2_1cda40053281e773600bd9c1e9e8ae19.png?width=1200)
老子道徳経と中医学的身体観六十三
副題 恩始
中医学的身体観としては、
陰陽相互転化を示しています。
天人地三才の人は陰陽相互転化する場所。
生きている限り、常に清濁合わせ、徳と気を転換しています。
嫌なことも悪いことも、転換する。
食べ物を水穀の気に転化し、活動に変え、周囲に徳を流すように。
鳳凰堂流解釈
ただ生きているだけでも奇跡。
あらゆる生命は、生を全うできるのは少数にも関わらず、それを忘れて生を貪る。
日々生かされている事に感謝できれば、ただ生きているだけでも生ききっており、
何かを口に出来るだけでも有難い。
僅かな事、小さいこと、少ないこと。
これらは自分の判断であり、異なる方向から見ると、大きな事かも知れない。
有り難みを感じていれば見方は逆転する。
徳は気を流し、気は昇華して徳となる。
この循環を踏まえていれば、怨みを持たれても、恨みはその人の問題。自分がそれに出会ったのは何の因果かを考えさせてもらう機会となり、徳に変えて流せば良い循環となる。
そう考えると、悪いこと、難しい事は、良いこと、簡単な事になる。
鳳凰堂流意訳
何もしないと言う事をして、無事を有難く思い、無味を味わう。
小を大とし少を多とし、怨みに報いるのに徳で返す。
難しいものきをその簡単に考え、大きいものを小さく考える。
天下の難事は必ず簡単な事から起こり、
天下の大事は必ず小さい事から起こる。
ここから、良く考え調和する人は最終的には大きな事はしない。その為よくその大きな事が成し遂げられる。
気やすく引き受けると、は必ず信は少なくなり、簡単なことが多ければ必ず難しいことも多い。
このような事から良く考え調和するですらなおこれは難しいとしている。
つまり最終的には難しいことはない。
直訳
無為をなし、無事を事とし、無味を味わう。
小を大とし少を多とし、怨みに報ゆるに徳をもってす。
難(かた)きをその易きに図り、大をその細になす。
天下の難事は必ず易きより作(おこ)り、天下の大事は必ず細より作(おこ)る。
ここをもって聖人はついに大をなさず。故によくその大を成す。
それ軽諾(けいだく)は必ず信寡(すくな)く、易きこと多ければ必ず難きこと多し。ここをもって聖人すらなおこれを難(かた)しとす。
故についに難(かた)きことなし。
原文
爲無爲、事無事、味無味。大小多少、報怨以徳。圖難於其易、爲大於其細。天下難事必作於易、天下大事必作於細。是以聖人終不爲大。故能成其大。夫輕諾必寡信、多易必多難。是以聖人猶難之。故終無難。