養生訓 巻第三 飲食上 鳳凰堂流解釈㉕
原文を現代文に改変
朝食いまだ消化せずんば、晝食すべからず。
點心(ちゃのこ)など食らうべからず。
晝食いまだ消化せずんば、夜食すべからず。
前夜の宿食猶滞らば、翌朝食すべからず。或いは半減し、酒肉を断つべし。
およそ食傷を治すること、飲食をせざるにしくはなし。
飲食を断てば軽症は藥を用いずして癒ゆ。養生の道知らぬ人、殊に婦人は智なくして食滞の病にも早く食を進むる故、病重くなる。
ねばき米湯など殊に害となる。妄りに進むべからず。
病症により、殊に食傷の病人は、一両日食せずしても害なし。邪氣滞りて腹満つる故なり。
鳳凰堂流意訳
朝食が消化できていないのであれば、昼食はとるべきではない。
デザート、軽食なども食べてはいけない。
昼食が消化できていないのであれば、夜食はとるべきではない。
前の日の夜に食べたものが、胃腸に滞っていれば、翌朝食べてはいけない。半分に減らしたり、酒肉を断つ。
食傷を治療する際に、飲食を止める以上のものはない。
飲食を断てば、軽症であれば薬を使わずとも自然治癒する。
養生の道知らない人、特に女性は深く考えず食滞の病であっても早く食を進める為に病が重くなる。
ねばり気がある米湯などは特に害となる。妄りに食べてはいけない。
病症により、特に食傷の病人は、一日二日食べなくても害はない。邪氣が滞り腹が満ちているからである。
鳳凰堂流解釈
食傷の心得の続きですが、女性は思慮が浅いと言うような書き込みは、時代特有、或いは地域特有かもしれませんが、現代の男性は注意すべきところです。
食事がうまく消化できていないのであれば、吐き気、食欲不振、腹張、便秘等の症状が出ていてもおかしくないので、事前に聞いておくと良いです。