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国内初のゲノム編集野菜登場。遺伝子組み換え、ゲノム編集の違いとは?


皆さんはゲノム編集と聞くと、どのようなイメージを持っているだろうか?少し怖い印象があるかもしれない。私自身も遺伝子を弄ることは果たして良いことなのかどうか、判断しかねる部分はある。だからこそ、ゲノム編集というものに対してしっかりと正しい知識を持っておくことが大事だろう。


先日、国内初のゲノム編集野菜が登場するというニュースを見つけた。筑波大発のベンチャー企業『サンテックシード』がGABAを多く含むトマトを開発、厚生労働省が認可したという話だ。商品名は『シシリアンルージュ・ハイギャバ』。何とも安直だが、興味はそそられる。


今回、日本初のゲノム編集野菜ということだが、そもそも皆さんは遺伝子組み換えと、ゲノム編集の違いはご存じだろうか? 国によって若干区分けが違うのだが、簡単に説明をしていきたい。


まず遺伝子組み換えとは、簡単に言えばキメラを作るようなものである。頭はライオン、体はヤギで、尻尾がヘビ。といったように、別の作物や動物の遺伝子を組み合わせることで特有の特性を引き出すことが可能になる。なので、自然界では本来起きえない遺伝子の組み合わせが作れる技術なのだ。まさしく組み換え。正しい日本語を当てている。


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技術的に可能かどうか分からないが、ファンタジーの世界で出てくるキメラのような動物も作れるかもしれないタイプの技術ともいえる。まぁ、せいぜい体の色や体格を変えるくらいが限界のようにも思えるが。鋼の錬金術師で出てきた、“子供と犬を掛け合わしたキメラ犬” というかなりショッキングな話があったが、これはその技術に近い。可能性があるが、少し怖いと感じるのはみな同じかもしれない。


興味がある人は試しに呼んでみると言いかもしれない。個人的には、この漫画は傑作だと思う。良ければどうぞ。



それに対してゲノム編集とは、従来から行われている品種改良をより高速で行えるようにした技術である。例えばトマトの中にある赤色という遺伝子を、別のトマトの黄色という遺伝子に取り換える、といった具合。ライオンとヤギとヘビを掛け合わせるわけではなく、あくまでトマトからトマトへ。つまり、自然界でも起こりえる遺伝子変化を早く起こせるという技術だ。

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ちなみに今年のノーベル化学賞は『クリスパー・キャス9』というゲノム編集技術を作った科学者に贈られている。この技術ははっきり言って革命的で、10年かけていた品種改良が数年で出来てしまうほど品種改良の効率を上げるものだ。技術の進歩とはなんと凄いのか。


ただし、ゲノムの構造が100%分かっていないと使えないはずだ。そもそもゲノムのどこを編集したら期待する効果が得られるのか、それが分からなければ編集も糞もない。なので、今すぐ種苗会社のブリーダーが必要なくなるという訳ではなさそうだ。


結局、ゲノム編集された野菜を消費者がどのようにとらえるのかは未知数である。しかし、私としては決して危険な技術ではないと考えている。もちろんどのように利用するかという研究者のモラルは問われるのだが、同時に世界の食糧問題を解決するような可能性も秘めていると言える。今後もこのような野菜は増えていくであろうし、手に取る機会も出てくるだろう。もしよかったら、一度試しに食べてみるとよいかもしれない。

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