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建築基準適合判定資格者検定
こんばんは、箒です。
今日は昨年合格した建築基準適合判定資格者検定についてまとめていきたいと思います。
どういう資格?
建築主事や確認検査員(以下、建築主事等)になるための必要な資格であり一年に一度行われる国家試験であり、ざっくり説明すると名前の通り建築基準法の適合性を判断する試験です。
建築主事や確認検査員とは?
建築物を建てる時に必要な申請を確認申請と言います。
行政庁や指定確認検査機関に申請を行い建築基準法に適合しているかどうかを確認する手続きです。
この確認申請の最終的な適合・不適合を判断するのが建築主事や確認検査員であり責任が問われる職です。
建築主事や確認検査員の区別は?
業務としては似ていますが所属している組織により名前が異なります。
建築主事…特定行政庁(公務員)
確認検査員…指定確認検査機関(民間企業)
建築主事等になるには建築基準適合判定資格者検定に合格し、確認申請等の実務経験を2年間行っている必要があります。登録要件を満たした者が建築基準適合判定資格者となり建築主事等になれるわけです。
受験資格
令和5年以前は一級建築士を取得していて確認等の実務経験を2年間行っていることが受験資格であり取得難易度が高い試験でしたが、令和6年の試験から受験資格が緩和され要件が一級(二級)建築士を所有していることに変わり受験資格の変更と共に検定が一級と二級に分かれることとなりました。
二級建築士は持っているけれど一級建築士になかなか合格できなかった人や実務経験はないけれど今後、転職を視野に入れ資格取得をしたい人が受験できるようになったわけです。
試験内容
試験は考査Aと考査Bという二つに分かれていて以下のような構成です。
一級
考査A 5肢択一 × 17問 (34点)
考査B 計画1(四号建築物程度)、計画2(大規模建築物・3000㎡程度)、計画3(構造)から構成された筆記試験 (合計66点)
全100点
二級
考査A ○×問題 ×50問 (50点)
考査B 計画1(四号建築物程度)、計画3(二級建築士が設計できる規模程度)、計画3(構造)から構成された筆記試験 (合計100点)
全150点
考査Aに関しては建築士試験で出題されたような問題であり法規が得意な方であれば比較的得点を稼ぎやすいものとなっています。
しかし、考査Bに関しては物件概要や図面を見ながら各建築基準法の項目に適合しているかの判断をしていかなければならないため実務経験がないと判断が難しいことと、適合・不適合の判断を根拠や理由を文章にして回答しなければならないため回答を書くスピードと適確に判断するための知識が問われます。
これがこの試験の難しいところです。
受験結果
私は令和5年に一級建築士に合格し、翌年の令和6年に一級(8月)と二級(6月)の試験を併願で受験しました。
そしてそれぞれの結果は
二級建築基準適合判定資格者検定(10月発表) 合格
一級建築基準適合判定資格者検定(12月発表) 合格
無事に併願受験しどちらの試験にも合格することが出来ました。
私は一級建築士の合格発表後の令和6年・1月から勉強を始めたわけですがどのような勉強をしていたかや難関である考査Bの対策について今後まとめていこうと思います。
併願受験について
私は令和6年に二級と一級の建築基準適合判定資格者検定を併願しましたが資格の効力としては一級を持っていれば二級の資格で出来ることが包含されてしまうため受験する意味はありません。
しかし実際受験してみて私は受験して良かったと感じたので今回は併願受験について話していきます。
受験スケジュール
それぞれの試験スケジュールは以下の通りです。(令和6年度)
二級建築基準適合判定資格者検定(6月受験)
一級建築基準適合判定資格者検定(8月受験)
建築士試験と同様に二級の試験を実施した後に一級の試験が開催されます。
私の本命は一級だったため二級については受験をしなくてもよかったですが併願を選択し無事二級の試験に合格しています。
併願にした理由
理由は三つあります。
早い段階からスイッチを入れるため
新設された試験で合格率が高くなる可能性があったため
実戦での経験値を積めるため
①早い段階からスイッチを入れる
私は1月から受験勉強を開始したので二級で約7か月、一級で約9か月の勉強期間がありました。
私の性格上、余裕があることに対しては甘えが出て勉強もスロースタートとなってしまうことはこれまでの経験から理解していました。
そうです、追い詰められないと勉強しないダメなタイプです。
そういった経験もあったため勉強の照準を8月末でなく二級を受験する6月末に合わせることで自分のやる気スイッチを入れる作戦を立てたわけです。
結果的に二級を受験する6月時点では過去問5年分を数回解き、考査Aは正答率90%、考査Bは8割程度回答できるようになっていました。
6月までに仕上げる気持ちで勉強していたので二級の試験が終わってからの約二ヶ月はかなり心に余裕を持って過ごすことができました。
②新設された試験だったため
二級の試験は令和6年度から新設された試験です。
受験資格も同時に緩和されたため受験者数が増えることと国も資格者を増やしたいのだろうなというのを予想していました。
もともとメジャーな試験ではないので受験者は多くない試験ではありましたが、それでも前年の建築基準適合判定資格者検定(今年度でいう一級)の試験より二級の受験者は1.1倍ほど受験者が多かったという結果が国交省から出ています。
SNSの反応等を見ていると実務はないけれど受験をしてみようという人が多かったのできっとそういった受験生も多かったはずです。
受験できるようになったが合格が簡単にできるわけではないのが国家試験で、令和6年度の二級の試験は合格率は30%と決して高くはない結果となりました。
受験をしての感想は普段実務で審査している人からすると決して難しい試験ではなかったので実務経験者の合格率は高かったものと思われます。
私は狙い通りまずは二級の資格に合格することが出来ました。
③実戦での経験値を積む
この建築基準適合判定資格者検定は前述のとおりメジャーな試験ではないので建築士試験のように資格学校があって勉強できる環境が整っているわけではありません。
大抵の人が建築行政情報センターから毎年発行されている『建築基準適合判定資格者の手引き』を使って独学で挑むというような試験です。
勉強できる環境が整っているわけではないのでもちろん模擬試験等も数が少なく地方に住む人等は当日に初めて通しで書いたという人もいたほどです。
本試験前に経験を積めるか、積めないかでいうともちろん前者の方が望ましく、大きなアドバンテージとなります。
私の本命は一級だったため二級の試験は模擬試験の変わりも兼ねて受験しました。
実際、本試験で解いてみると…
・回答用紙が大きくスペースに困る
・思った以上に力が入り上手く書けない
・ペース配分
いろんな問題点を確認することが出来ました。
二級の本試験で実感できたことも多数あったので受験してよかったと感じました。
実際の勉強スケジュール
過去の合格者から受験した際の経験や想定される合格ラインを調査して
その経験談から合格ラインは全体で約7割正答、考査Aは満点が理想を目標として設定しました。
過去の合格した先輩やSNSで知り合った友人は、考査Aは満点もしくは一点落としくらいで合格しており、考査Aは確実に回答できるようにしなければならない考え受験勉強を始めた1月から3月くらいまでは過去問の考査Aをひたすら解いて過去問をベースに法令集を作りこんでいく期間に使うことにしました。
(法令集についても後日紹介させていただきます。)
考査Aを早期に確実なものとすることで残りの期間は考査Bに集中することができ、かつ過去問を解きながら法令集を作ることができるのでこの作戦はオススメです。
特に建築基準適合判定資格者検定は建築士試験と異なり、考査Aで出題される範囲は狭められており毎回出題傾向は似たものとなっているので資格学校や法令集の付録としてついてくる線引きガイドに沿って線引きをするとかなり余分なところまで作業を行うことになってしまいます。
(地区計画、建築協定、建築士法など、、、)
私は法令集を井上書院から発売されている通称青本を使っていましたがこの法令集は毎年発売が1月〜2月くらいと遅めの発売になっているので昨年のこの時期は線引きすらすることができませんでした。
ですので今から過去問を解きながら線引きをするのでも全然間に合うスケジュールではあるのでもしこの記事を読んで受験してみようかなと思った方がいれば今からでも追いつけるので頑張ってください!!!!
使用していた法令集↓↓↓↓↓↓↓
法令編
告示編
終わりに
今日は全体の概要や大まかなスケジュールについてまとめさせていただきました。
次回以降は実際の考査Aや考査Bの勉強方法や過去問の傾向などをまとめていきたいと思います。
本日もここまで読んでいただきありがとうございました。
誰かの参考になりますように。
箒