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イエメン情勢/フーシ派について

イエメンという国を知っている日本人は少ないのではないか。国名を聞いた事がある程度の人がほとんどでしょう。

私がこの国に興味を持ったのは、NHK「海のシルクロード」で特集されたからである。これは、放送後「本」としても出版され、何度も読んだ記憶がある。美しい海などの風景、人々、帆船、特徴的なナイフ、そうした事柄が深く心に刻み込まれ、私的にはいつか訪れたい国だった。

さて、イエメン情勢を語る際に出てくるのは、ISでもアルカイダでもなく、「フーシ派」である。フーシ派はイスラム教の一派「ザイド派」を信奉する一団であり、広義で言う所の「シーア派」であるされている。イエメン北部、サウジとの国境地帯にあるサアダ県が発祥の地である。

そうした点と地政学上の事もあり、フーシ派にはイランが付いている。

フーシ派の使用してる兵器は、もはや一ゲリラ組織とは到底言えない装備である。弾道ミサイル、巡航ミサイル、無人機、ドローンを駆使していて、明らかにイランからかなりの兵器提供、技術提供を受けていると思われる。その証左として、弾道ミサイルの部品から、イラン製部品が見つかっている。

下記は2022年10月時点のイエメン国内の勢力図である。ウィキからの引用であるが、海外のサイトも含め様々な情報を調べるとこの勢力図が最も最新で、最も正確なものであると判断し、掲載する。

フーシ派は、主に「旧北イエメン地域」を中心の支配である。

サウジアラビアを主体にした有志連合軍に後押しされたハーディー政権、暫定政権派は「旧南イエメン地域」を主体にした勢力範囲である。

南部暫定派は、その中間。

アルカイダ系は支配地域がほとんど無い。


私なりに調べていくと、ISやアルカイダ系は凋落が激しい。アフリカ地域では、猛威を振るっている地域もあるのだが、いわゆる中東地域からは、完全にゼロではないにしろ、かなりいなくなっている感がある。彼らはイスラムからも嫌われてるので、他イスラム系組織に追い出され、アフリカへ下ってきたのだろう。現にソマリア、ケニア、マリ、ニジェール、カメルーン、モザンビーク、ザンビア、マラウィ、ブルキナファソ、中央アフリカなどでは、組織名ははっきりしないものの、過激派系イスラムゲリラ組織の振る舞いが報道されている。どうもIS系のようである。

10月に、ハマスによるイスラエル無差別テロ攻撃があったが、フーシ派もイスラエル攻撃へ参戦する旨、宣言があった。イエメンとイスラエルはかなり離れているので、直接、戦闘に加わるわけでは無いと思われる。シリアの関係組織が攻撃を行なうのではないかと言われている。


<総論>

戦争を終わらせることが第一に優先すべき事柄と思われる。国内避難民も含め、かなりの被害が一般市民も含め両者には出ている。現在の勢力図を見ると、旧北イエメン、南イエメン地域にある程度別れてるので、アルカイダ系を除く各勢力で国境線を画定させ、国を作ったら良いのではないか。それぞれの組織が各地域、各国を尊重したらいい。そうでもしないと、一生、戦争は終わらないでしょう。幸いなのは、他国に侵略されて戦争してるわけではなく、あくまでも「内戦」だと言う事、同じイエメン人同士、派は違うとは言え同じイスラム同士なのだから、解決の糸口は必ずあるはず。

シバの女王の国の子孫として、平和のうちに誇りを持って生きていって欲しい。それには、停戦し和解が必要だ。


<参考文献>

イエメン内戦の詳細は下記サイトが詳しい。イエメン内戦をイチから説明するとかなりの長文となってしまうため、詳細は下記をお読み頂きたい。

・Global News View (GNV)
  https://globalnewsview.org/archives/19043

・European Council on Foreign Relations (ECFR)
 https://ecfr.eu/publication/fragmentation-nation-how-europeans-can-help-end-the-conflict-in-yemen/



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