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最高の日は続くよ、どこまでも

「今日は一年で一番、最高の日!」

2025年1月3日
娘が両手いっぱいにお菓子を持って
私の顔を見ながら言った言葉だ。

そのお菓子は、買い物に行った際に見つけたお店の催し物で、
サイコロを振った数だけもらえるというシンプルで楽しいもの。
その時、私と娘の分で合わせて10個もらった。
娘の手のひらには、そのお菓子がぎっしり詰まっていて、
まるで小さな幸せを抱えているようだった。

それを持ちながら、あの「一年で一番、最高の日」という言葉が出た。
流石に早すぎるとは思うけれど、確かにその言葉が出てしまう気持ちもわかる。
だって、年が明けてからの2日間
娘にとって…いや、私も大変だったから。

2025年1月1日
妻が熱を出した。
それに伴い、お正月ムードは一旦おあずけ。
その日、私は妻の看病と、0歳の第二子の世話でバタバタ。
6歳の娘には家で我慢してもらい、
唯一、第二子を連れて行った公園でシャボン玉を飛ばすことだけが
彼女にとっての息抜きだった。

2025年1月2日
妻の熱は下がった。
なので元旦に予定していた事を2日にと
盛大にお正月を祝おうとしてお義母を家に招いた。
しかし…熱は下がれど時間が経つにつれて
今度は腹痛に悩まされ、妻はトイレの住人へと化した。
結局、妻はおせちを食べずに寝て、
私は第二子の面倒を見て、
娘は小声で義母と遊んでいる状態。
盛大とは真逆で、おせちと向き合っていた。

だからこそ、娘があんなにも嬉しそうに「今年一番、最高の日!」と言ったのだと思う。
申し訳ない気持ちと感謝の気持ちが入り混じり、私は思った。
「最高の日」を更新してやろうと。

私は娘と一緒にお菓子を車に置きに行く際に提案した。
「ドーナツも買って帰る?」と。
嬉しそうに顔を輝かせながら、歓喜する娘。
すると、娘の「最高の日」は一瞬で更新された。

私たちは、自分たちが食べたいドーナツと
食べれるかわからないが、妻の分も買って帰った。
家に帰ると、娘はドーナツとお菓子を手に、
笑顔で妻と第二子に報告していた。
そこには微笑ましい光景が広がっていた。
ようやく、私たちの正月が始まったような気がした。

まだ昼ではあるが、ビールを見ながらテレビでも見よう。
そう思い、冷蔵庫の扉に手をかけた時
ふと妻が私に声をかけてきた。
「第二子が熱を出しているかも…」と。
急いで熱を測ると、38度。

私は呆然とした。
もちろん妻も、そして6歳になる娘も。
目は口ほどにものを言うとは言うが
こんなにわかりやすく「マジで?」と
目で言われたことはない。

娘の「最高の日」は崩れてしまったか?
いや、最高の日ではあるはず!
この状態で一年で一番、最高の日なら
きっと第二子の熱が下がった時に更新できる!
もしかしたら明日にでも更新できるかもね。

2025年1月3日
6歳になる娘の一年で一番最高の日は
更新し続けることが決まった日だ。

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