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誰だって被害者として生きたいわけではないーー被害者のキャリア形成

被害を受けてからと言うものの、頭が回らず文章がすっかり書けなくなってしまったり、そうした恥の塊を平気でアップしてしまう自分の判断力の低下による危なげなことがあったり、更にはnoteもそこそこフォロワーさんがいた前のアカウントが乗っ取られてしまってから怖くなり、ずっと距離を置いてきました。

それでも、前に進まなくてはいけない、今の気持ちを忘れてはいけないと思う時がきっと来る、と思い書いておこうと思います。今日、生きた証も込めて。

被害者への偏見

私はセクハラやレイプの被害に遭いました。でも、「被害者」として生きたいわけではなく、ずっと葛藤を抱えてきました。起業家として生きていきたいと願ってきたのです。

しかし、被害者だと言うことが知られると腫れ物に触るような対応をされることが多くあり、傷つくことがあります。これは、年配の方が「年寄り扱いするな!皆と同じように接して欲しい」と思ったり、病気や障害を持つ人が「特別扱いではなく、普通に接してほしい」と願う気持ちと似ているのかもしれません。もちろん、被害者には被害者特有の心情がありますが、それでも他の人と変わらず接してほしいと願う人もいます。人それぞれ違って当然です。

先日、知人の障害者の方が「結局、障害者とは距離を取りたいという雰囲気を感じる」「嫌われているのではないかと思ってしまう」と話していました。その言葉を聞いて、私自身も「そう思わせる態度を取っていなかったか」「どうすればそう思わせない社会にできるのだろう」と考えさせられました。

これはまた別の人が、「被害者は周囲が全員敵に見える傾向がある」と話していて、私はゾッとしました。それは被害者の側にその傾向があるのではなく、周囲の人が無意識のうちに周囲がそうした態度を取っていることが影響しているのではないでしょうか。被害者にその傾向があると言うことで、自分は何も悪くないポジションに置こうとする考えだと思いました。また、二次加害が横行している昨今の現状を目の当たりにすれば、被害者が「周囲は敵だ」と感じてしまうのも無理はありません。

「被害者は弱者だ」「被害者には気を遣うので距離を取りたい」「被害者は悲観的」と考える前に、自分自身の行動を振り返ってみてほしいのです。また、被害者は弱者だとか悲観的に思っている人がいたら、「自分がそう思わせてしまったのではないか」、「何ができるか」、と考えるようにしています。自戒を込めてそう思います。
本来距離を取るのは被害者ではなく加害者ですが、加害者の可能性がある人には確認をせずに近づいたり称えたりしている様子が散見されます。
私自身も完璧ではありませんが、私は人と関係性が発生する場合には「ハラスメントを許容しない社会にしたいです。どう思いますか?」などと確認するようにしています。もし取引をするのであれば、身内だけではなく裏どりは必要でしょう。

被害者にならなくても社会活動はできる

被害に遭ったことや被害に遭ったことの告発は百害あって一利なしです。社会的には意味があるかもしれませんが、個人的には何も得をしません。

「目立ちたいだけだ」と言う人がいますが、もし目立ちたかったなら、被害を告発せずに仕事で成功し、メディアに出る道が良いでしょう。実際、私はかつてファッション誌に登場し、フォロワーも5万人ほどいました(自慢できる数字ではありませんが)。もしファッションや美容の話を続けながら、自分のサービスを広めていたら、今よりずっと穏やかに、誰にも恨まれることなく平和に生きられたでしょう。私は被害に遭ってからSNSを一切使わない期間が数年間あり、今も更新頻度が毎日複数投稿していたものが週1程度にグッと減りました。

伊藤詩織さんに対して「被害者なのに得るものが大きすぎる」と発言をしている人がいて、胸が傷みました。ホリエモンさんのように刑事罰を受けた経験がある人がメディアに出て発言しても、多くの物を得ても、それを批判する人は少ないのに、なぜ被害者が何かを得ることには批判的な目を向けられるのでしょうか。

私は被害に遭ったことで、多くの損害が出ましたが、得をしたと感じたことは一度もありませんし、おそらくこれからもないでしょう。
被害者の告発は内部通報も含めて、その企業がこれから前進をするために必要なことです。ハラスメント体質だったことに気がついていない企業もいるでしょうから、もし被害者から告発をされたら、改善の機会をいただいたと思い、お礼を言うくらいが調度いいのではないでしょうか。

話が逸れまくっていますが、社会貢献をしたい、起業したいという気持ちは変わりません。ただ、そのために「被害者」である必要はないのです。むしろ、被害者であることは足かせになりかねない世の中です。体調を崩し、苦しみが続き、さらには「腫れ物扱い」される可能性があります。起業家として一線で活躍している人に、被害者だと告白している人は現在いません。社会貢献や起業をしたいのなら、健康で、誰からも距離を取られずに起業をすることが今のところ良く、繰り返しになりますが被害者であることは何の得にもなりません。

被害者のキャリア形成

しかし被害は事故のように誰にでも起きうるものです。ある日突然被害を受けてしまうこともあります。被害を誰かに言いたくても「被害を告発したら仕事がもらえなくなるのではないか」、「投資を受けられなくなるのではないか」、「仕事に復帰できなくなるのではないか」、と言う不安もあり、声をあげにくい人が多い現状です。
もし仮に裁判で勝訴したとしても、仕事がなくなる、と言うことは考えられます。この状況を変え、被害者がキャリア形成できる社会を実現していかなくてはいけないと思っています。

そのためには下記のことが考えられます。

(1)法律制定
被害を理由に仕事を失った場合の救済措置を制定する。今までハラスメント を理由に失職をした場合、復職をすることができずにきたことが問題視されてきました。そのため、現在要請しているハラスメント法ではこうしたことがないような法律制定を目指しています。ただし起業家になるとハードルが高い点もあります。

被害者だから一緒に仕事をしたくない、声をあげた人は何かまた告発されたら困るから一緒に仕事をしない、などもハラスメントでしょう。障害者雇用などという言葉がありますが、被害者のキャリアも守られる雇用やサポートも必要だと考えています。

(2)ロールモデルの創出
声をあげた被害者が復職をして活躍をすることは多くの被害者に希望を与えると思います。業界は違いますが、水原希子さんが過去にセクハラに関して告発をしながら活躍をされている姿に勇気をもらいました。最近ですと、女性検事の方が性被害を告発し、復職を希望していると仰っていました。全力で応援したいですし、キャリア形成できる社会がスタンダードになりますように。

(3)一人一人の偏見のない声、サポート
被害者の復職は周囲の人の理解が必要です。まだまだ被害者への偏見は大きいですが、被害を告発しても安定したキャリア形成ができる社会のために一人一人が寄り添うことが求められるでしょう。

私自身も起業できるように頑張ります。(まずは今も続く嫌がらせをやめさせてから)

こうした環境が、被害に遭ったら被害に遭ったと安心して言える社会に近づくのではないかと思っています。

フォロワーも多くないので、問題意識は強いものの、独り言として気楽に書いています。



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