選手はピッチ上の表現者である
現代サッカーは、フィジカルが重視されるようになっています。Jリーグでは走行距離、スプリント回数がデータとして示され、選手は否応なしにそれらに対応することが求められます。
女子でも、男子と同様、攻守の切り替えの速さ、インテンシティの強さが求められるようになっていますが、男子と女子ではフィジカルの強さが根本的に異なり、女子がどれだけフィジカルを高めても、男子のようにはなりません。
女子サッカーには、男子サッカーのようなパワー、スピードはありません。
しかし、男子ほどのパワー、スピードがないからこそ、男子サッカーでは見られない技術、パスワークを磨けるという面もあります。
ラブリッジ名古屋は、ボールを大切にするサッカーを志向しています。
それはなぜか。
サッカーは、ボールを持つ方に主導権があります。
選手は、ピッチ上の表現者です。
ボールを持っている選手は、次にどのようなプレーを選択するのかという選択権を持っています。
チームとして常にボールを保持し、ピッチ上の表現者が主体的にプレーを選択し、その表現者が次々と変わり、連動し、躍動し、ゴールに迫るサッカーは、観ている人にとっても楽しいはずです。
そして、何よりプレーする選手自身が楽しいはずです。
ここで注意が必要なのは、ボールを保持することが目的化してはいけないということです。
あくまでサッカーの目的は、ゴールを奪って勝つことにあります。
ボール保持、パスワークは、ゴールを奪うための手段です。
ボールを大切にするサッカーは、簡単に構築できるものではなく、トレーニングを重ねて、少しずつ形にしていくものです。
現在のラブリッジのサッカーは、コーチングスタッフが何年もかけて積み上げてきたものです。
もちろん、上手く行く試合もあれば、上手く行かない試合もあります。
勝負である以上、勝たなければなりません。
でも、選手はピッチ上の表現者であり、選手たちには自らアクションを起こし続けるサッカーをして、楽しんでほしい。
私は、それがサッカーの魅力であり、特に男子に比べてパワーとスピードに劣る女子サッカーにおいては、今後さらに追及していかなければならないことだと思っています。
これからも、ラブリッジと言えば、ボールを大切にして、選手がピッチ上の表現者としてサッカーを楽しむスタイルだと思っていただけるようなサッカーを継続していこうと思っています。