クラブ経営
なでしこリーグ1部の年会費は、650万円です。
2部は500万円です。
なでしこリーグの加盟費が100万円ですので、地域リーグからなでしこリーグに参入する際には、初年度に合計600万円を支払う必要があります。
地域リーグからなでしこリーグに参入すると、当然のことながら全国に遠征に行くことになりますので、遠征費が格段に増えます。
ホームゲームについても、スタジアム基準を満たす必要があるので、それまでに比べると施設利用料の負担が格段に増え、その他にも警備員、スタッフの人件費、弁当代、飲料代など、もろもろの費用がかかります。
なでしこリーグ1部で優勝すると強化費400万円をいただけますが、年会費にも遠く及ばない金額です(もちろん、400万円の有無は経営的に非常に大きいです)。
女子サッカークラブの収入は、ほとんどをスポンサーからの資金提供に頼っています。
ホームゲームの入場料収入はさほど期待できず、他方でスタジアム基準により、1000人以上収容できるスタジアムで開催しなければならないので、入場料収入で利益を出すのは極めて難しいです。
ホームゲームを開催する度に、赤字が増えていくことになります。
女子サッカー界は、これまで数多くのクラブが誕生し、そして消えていきました。
近年では、2020年にバニーズ京都SC(当時なでしこリーグ2部)が事実上消滅し、群馬FCホワイトスターがその地位を引き継ぎました。
2022年には、アンジュヴィオレ広島(当時なでしこリーグ1部)が解散、消滅しました。
女子クラブにとっては、一つのビッグスポンサーが撤退するだけで、経営的に大きな打撃となります。
景気悪化、代表者の交代、業態の変更など、クラブにとっては如何ともしがたい理由によって、突然資金提供は打ち切られます。
一つのビッグスポンサーが撤退しても、経営が悪化しないようにするにはどうしたらよいのか。
当たり前のことにはなりますが、減った分を補うために新たなスポンサーを探し、または増額していただくことが必要です。
とはいえ、お金をいただくのは簡単なことではなく、支援をお願いします、はい分かりました、ということにはなりません。
そのために何が必要なのかを、日々考え、実行することが必要です。
次に、スポンサー収入のみに頼らない収益構造を作ることです。
とはいえ、それも簡単なことではありません。
グッズ、サポーターズクラブ収入などもありますが、全体の売上からすれば微々たる金額にしかなりません。
そのような中で、私たちは朝日インテック株式会社様のご支援により、朝日インテックWOVENFIELDという専用練習グラウンドを手に入れました。
ラブリッジ名古屋が最優先で利用できるほか、朝日インテック株式会社様の福利厚生、地域住民の利用、そして一般への貸出も行っています。
このグラウンドを使って、スポンサー収入のみに頼らない収益構造をどう作っていくのか。
実際に利用してみると、ランニングコストが予想以上に必要になったり、思うようにレンタルが進まなかったりと、想定どおりには行きません。
他方で、先日朝日インテックWOVENFIELDで開催したU13大会では、参加した各クラブの皆様から、大変ありがたいお言葉もいただきました。
目先の資金も大切ですが、先々も見ながら、今を考えることが大切です。
慌てず、焦らず、じっくりとこの施設の価値を高めていくことが必要だと感じています。
全てに通ずるのは
「クラブの価値を高める」
ということ。
誤解を恐れずにいえば、朝日インテックWOVENFIELDを作っていただいたのも、ラブリッジ名古屋というクラブに価値を感じていただけたからだと思っています。
もちろん、ホームゲームの入場者数は他のクラブに比べればまだまだです。
スポンサー収入も、なでしこリーグ1部のトップクラブに比べればまだまだです。
もっともっと、クラブの価値を高めていく必要があります。
そのためには何をすれば良いのか、日々考えています。