韻を踏む93
痛恨の一撃を喰らわせれば文豪でも勝てそう。
ラッキーパンチで急騰する無名の小説家。
用意周到に売れた時のセリフを話し出した。
都合の良い内容だけを話し、皆、それを信じた。
今更、無効試合に何てならず、
流行の最先端に彼はなった。
知ったかぶりで柔道を語り、
嘘を指摘されると急行で帰る。
愚民は嘘を信じ、ニュートンは彼の事だと認識された。
悪事を気にせず食べる牛丼の味は美味いのか?
銃口を突きつける人もいたが、ファンがそれを守る。
嘘と愚かさのおかげで、空洞化する真実。
ついには青春群像劇の主役にまでなる。
天皇から勲章まで貰う始末。
でもそんな矢先、急所とも言えるほどのスクープ。
事実無根だと彼は言ったが、全ては水泡に帰した。
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