私の年齢で死ぬ人がいる
私の年齢で死ぬ人がいる。これは私に限らず、誰にとっても真実だ。
生まれてすぐに死ぬ人もいれば、小学校に入る前に死ぬ人もいれば、90歳まで生きる人もいる。
人間の平均寿命は70いくつだそうだが、その年まで誰もが生きる訳ではない。当たり前のことだが、人は年齢に関わらず死ぬだけの事柄が起きれば死ぬ。
健康な間は死を意識することなんて中々ない。テレビや動画で「命を大切に」的な衝撃的なドキュメンタリーを見ても、三日も経たない内に忘れる。そしてまた永遠の命を手にしたかのように、のうのうと生きる。
人間に共感能力が備わっていようが、自身に降りかからないと強烈な実感はできないものだ。そして死を意識した途端に生きてやりたいことが溢れるほどに出てくるのだろう。
そういう意味で、人間は本当に愚かな生き物である。今ここにないものを求めるという愚かな性質のせいで、今現在ここにある素晴らしいものを蔑ろにする。
ちょっと勇気を出せば手が届くもの、少し体力を振り絞れば始められること、そんなものがすぐそこにあるのに、今日は昨日と何も変わらず、知らず知らずの内に今日の素晴らしさは明日へ持っていけなくなっている。
頭でそれを理解しても、実際に行動に移せる人間は稀だ。大概は無難な行動を取る。老後のために今を捨てる。別に無駄遣いをしろとは言わないが、無駄じゃない消費なら無駄じゃないのに、素晴らしい体験を無駄にしてでも老後のための金を守る。
人間は知能が高いけれど、人生を有意義に使うほどの知能はないらしい。
それを知っていても、私は明日も今日と同じように生きて、昨日の行いを後悔するのだろう。
不幸が欲しいとは言わないけれど、現状を変えるような素敵な出来事は起きないものか。
漫画やドラマじゃないのだから、自分で起こすしかない。
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