なんとVチューバーが学長就任。コロナ2年目というイレギュラーな状況が、受験生プロモーションの”枠”を取り払う!?
若者を中心に人気のあるVチューバー。以前より、このnoteでは大学発のVチューバーについて何度か取り上げてきました(これとこれ)。今回は、これまで取り上げた取り組みとは、また違うアプローチでVチューバーを活用する大学を見つけたので、こちらについて取り上げていきます。まさか、Vチューバーが学長になってしまうとは…。
どうでしょうか。なんと、Vチューバー界の草分け的存在であるキズナアイが、(ひと夏だけの)大正大学バーチャル学長に就任するようです。それとともに、大正大学の8号館をVRで再現し、限定500名の受験生や保護者がアバターとなって、このバーチャル校舎を楽しめるとのこと。未来よ、ここまでやって来たか…。
あまりにも突拍子のない企画なので、いろいろ思いつつも言葉にならない感じなのですが、私のようなオッサンと、いまの受験生たちでは、こういった取り組みについての感度が違うんでしょうね。こういう企画でも、すぐにピンとくるんだろうと思います。
……さて、少し落ち着きました。
今回の大正大学の取り組みは、コロナ禍のなか、ウェブオープンキャンパスに代表される大学のオンラインイベントが、さらに一段階進化した姿だといえます。これまでの、オンラインイベントは、対面でできていたことを、いかにしてオンライン上で再現するか、という発想でつくられていました。しかし、今回の大正大学のものはそうではなさそうです。
対面の延長線上にあるオンラインイベントであれば、アフターコロナになると、対面に戻る(=なくなる)可能性があります。しかし、オンラインイベントver2.0ともいえる、オンラインでしかできない体験になると、これはもうコロナ関係なく、良いものであれば今後も残り続けます。今回のキズナアイの学長就任が、良いものかどうかはまだわからないのですが、独自進化してきたな、という実感はすごくあります。
昨年はコロナ禍に入ってすぐだったため、どこも考える間もなく、急ごしらえで必要だろうと思うものをつくりました。2年目となる今年は、じっくりと考える時間があります。これは大学だけでなく、大学に企画提案をする企業にとってもそうです。今年コロナが収まっていれば、従来のプロモーション施策に戻った可能性は高いのですが、イレギュラーな状況が2年も続いていることによって、オンライン上の施策が独自に進化してきているのだと思います。
また、今回の大正大学の取り組みは、元をたどればオープンキャンパスになるわけで、そこから独自かつポップに進化(?)したものです。これまで大学の受験生向けプロモーションの王道は、大学案内、ホームページ、オープンキャンパスの三種の神器でした。大学ごとにこれらを、それぞれの枠のなかで、見た目であったり、企画であったりを工夫しつつ、定められたストーリーで高校生たちに情報提示するところが大半だったのではないでしょうか。
今回のように、わかりやすく枠から飛び出た企画は、ぼんやりとある受験生向けプロモーションの”常識”を取り払ってもいいという気づきを多くの大学に与えるように思います。そして、コロナ2年目という特殊な状況によって、今年はこういった気づきを与える企画が、けっこう出てきそうな気がするのです。そういう意味では、オンライン云々もありますが、発想部分から、受験生向けプロモーションが多様化するきっかけになる年になるのかもしれないなーと。半分ぐらいは願望なのですが、キズナアイさんの学長就任から、そんなことを思うのです。
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