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【講演④/5】かみさまからのおくりもの 親であることを楽しむために

あんなにいい子だったのに
あんなに元気いっぱいだったのに。

そんなわがこが今や、
笑わない中学生、高校生に、
そして「やりたいことなんてない」という無気力な大学生になってしまった。

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ロングセラーの絵本作家であるひぐちみちこさんの講演会では、
そんな親たちの「どうして」に対するたしかな答えが語られていました。

かみさまからの絵本写真

※これまでのお話はこちら

本来いるべきではないところへ

カード

こぐま社の本には愛読者カードがはさまれています。
そして、この本を読んだお母さんたちから送ってきた愛読者カードには、
「こそだての初心にもどることができました」
「自分のやっていることにはっとしました」

というコメントがよく書かれているんです。

これは現代の多くのお母さんたちが、どこか本来いるべきではないところに出かけているということなんですね。

では、お母さんたちは、一体どこに出かけているんでしょう。

1.「できる、できない」で判断する親

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それは、「できる、できない」で判断する世界です。

そんなお母さんたちは、こどもが本来土台として立っている、もっているものを無視して、
「これができなかったら不幸」
「よその子より先にいかなくては」

とこどもをかり立てることで、かろうじて安心を得ています。

でも、この競争に終わりはありません。

それどころか、どんどんエスカレートしていってしまうんですね。

2.心配のさきどりをする親

早期教育


「将来○○できなかったらあなたが困るから」
と親さんは言うんですが、
これは、「未来のために」と言って、
こどもの「今」をうばっている行為にほかならないんです。

けれども、これはお母さんだけの責任ではありません。
今、日本の社会全体がそうなっているからです。

日本において昭和35年以降に生まれた人はみんな、ほぼ「できる、できない」の競争社会で育てられてきました。
つまり、テストの点や偏差値など、目で見えるもので評価される世界ですね。


お母さんたち自身も、その時代の価値観にどっぷりとつかって育てられてきたのだから、それを自らの子育てにも反映させてしまうのは、ムリもないことなんです。

本来、母親がこどもの心配のさきどりをしてやらせるのはおかしいですよね。

しかし社会はこぞって親たちの不安をあおり続けているんです。

なぜなら、幼児教育産業はとにかくお金がもうかるから

3.常に不安でさびしい親

不安な婦人

こどもは本来、神様が与えてくださったよいものの上に立っています。
それは「ありのままの自分」です。

でも、お母さんたちは、こどもたちをそこではなく、
「できる、できない」
の世界に引っぱり込もうとしてしまう。


その結果、お母さん自身も、常に不安で心配なさびしい人になってしまうんです。


そのような親たちに育てられたこどもたちは、
思春期になると、食べない、笑わない、歌わない、無気力な中学生や高校生になってしまう。

さらに大学生になって、進路を決定するべき時期になっても、
「小さいときに好きなことを何もさせてくれないでいて、いまさら好きにしろといわれても困る」
という若者が増えているんですね。

まとめ~こどものよいものに目をむけて

絵本

今こそ、こどもを「できる、できない」でみるのではなく、
本来神様が与えてくださったよいものに目を向けるべきなんです。

たとえば、こどもがテストで40点を取って、笑いながら帰ってきたら、
その40点という点数ではなく、
「うちの子は『よく笑う』をいただいた」
「うちの子は『正直』をいただいた」

こちらを見るべきなんです。

この講演会もそうですが、私たち大人は、こういうとき、なるべく後ろの席に座ろうとしますよね。

でも、こどもたちに絵本を読んであげるときはどうでしょう。
こどもたちはどんどん前にやってきますよね。

これが子供の本来持っている力なんです。

では、こどもたちのすこやかな成長のため、親が本当にやるべき仕事は何でしょうか。

⑤につづく


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