くだらなく突破した。わたしは明日を待たずに、あたらしいニセモノに、なる。
外に出て木を剪定した。隣家との境にあるサザンカが思っている以上に枝を伸ばしていた。ワイヤー仕立てのフェンスのそばに植えられているので放っておくとすぐに越境しようとする。一度注意をされたことがありにそれから気がつくたび切った。
自己流つまり適当だから、どこをどう切ればなどとは考えない。文字通り思ったままに小さなノコギリで落としていった。常緑樹らしい生木からでる匂いが立ち込め、他の捨てるものと一緒にしていたゴミ袋はすぐにいっぱいになった。ところが袋の口を縛ってから、捨てようとしたところで、ふいにあたまとからだがつながった気がした。というか、植物の意識が、あたまとからだがつながる、という、ことばで、教えてくれたような気がした。
、、と、実はここまで書くのに半日以上かかった。もう時計が明日を指そうとしている。でもそんなことより、予言めいているが、言いたい。
いままでのわたしは、もう、どこにもいなかった。ことばのなかにさえ、いなかった。あったのは、あたまとからだ、だけ。だからそれをこうしてことばにしているのは。
わたしのフリをした、ニセモノのことば、だけだ。いや、それどころじゃない。わたしは明日を待たずに。
あたらしい、ニセモノに、なる。。わたしのフリをした、あたまとからだを、たずさえて。