Outriders をやってお前も真の変異者になれ
お前らSF好きか? まあ、一口にSFって言ってもいろいろあるよな。サイバーパンクとか情報生物とか、外なる神なんかもSFか。
宇宙戦争モノってのも楽しいよな。「宇宙の戦士」とか「老人と宇宙」とか、ああいうよその星に行ってエイリアン相手にドンパチやるみたいなのも、ちとIQ低い感じに思われるかもしれんが、爽快感という点ではなかなかのもんがある。
ところで、最近少し強めのパソコンを買ったらなにやらゲームがついてきた。"Outriders"というタイトルらしい。そう言えば、以前獅白ぼたんの姐さんがそんなゲームをやっていたな、と思いながら少しやってみて、ドはまりした。
どんなゲーム?
「ルーターシューター系」というジャンルになるらしい。敵を倒して武器や防具を拾って強くなっていくTPSだ。
このゲームには回復アイテムのようなものはない。その割に敵はわらわら現れてこっちをハチの巣にしてくる。じゃあどうするか、ってところで超能力が出てくる。
いろいろ条件はあるけれども、基本的に超能力(スキル)を使って敵を倒すと体力が回復するのだ。ふふん、察しのいい気味なら気がついたんじゃないか? つまりこのゲームはバリバリ撃たれながら、こっちもバチバチカッコいいスキルを使いまくって体力を回復させつつ敵をなぎ倒していくってゲームなんだよ。戦闘結果を見ると最大体力の五倍くらいのダメージを受けて十倍くらい回復してることがある。これが気持ちいい。
とはいえ、スキルの切れ目を狙われたり、囲まれたりすると回復が追っつかずにハチの巣になって死ぬ。そんなシビアな側面も持ってたりする。でも、敵を倒す順番を考えたり、位置取りを変えたり、ときにはスキルを組み替えたりしながら試行錯誤すればだいたいの強敵は倒すことができるようになっているよ。結構細かくオートセーブも入るので試行錯誤はそんなに苦にはならないしな。
組み合わせるのが楽しい
そうだね、スキルの組み換えの話が出たので、このゲームのビルド要素についても語らせてもらおうか。このゲームはゲーム開始時に四つのクラス(職業)を選ぶ。(クラスについては一口には語れないのであとでまとめて語らせてもらうよ)それぞれのクラスはレベルが上がると8つまで技、スキルを覚える。ただし、戦闘に使えるのはあらかじめセットしておいた3つまでだ。全部攻撃技で埋めるもよし、妨害技を組み合わせるもよし、一つ移動技を忍ばせるのもよいだろう。ここの組み合わせだけでもかなり個性が出るところだ。
加えてそれぞれのクラスにノードと呼ばれる、ツリー状のパッシブ能力を付与する要素がある。これもレベルが上がるにつれ振れるポイントが増えていく。
それからさらに武器や防具にもmodと言われるパッシブ能力を付与するものがついている。それぞれ二つずつついていて、基本的にランダムだけれども、一つだけは変更することができる。
ノードやmodは「××ダメージアップ」とか「××特効」とかわかりやすいのも多いけれども、中にはゲーム性が変わるくらい強力なものもある。そいつらを組み合わせて強力なビルドを作っていくのはコンボデッキ制作めいてすこぶる愉快なものだ。
たとえば「パンチを当てると貫通性能が上がる」というノードと「貫通性能の半分だけ魔力が上がる」というmodを組み合わせると「パンチを当てると魔力が上がる」という状態が作れたりする。さらに「魔力が上がると防御力が上がる」とノードとか「パンチを含めてスキルを出せばなんでも周りにダメージの波を出す」みたいなmodもあるので……
そんな感じで一見何の役に立つのかわからんmodが他のクラスだとクソ強かったりする。その辺のシナジーを考えながら組んでいくのが楽しい。
強いテンプレートはあるけれども、細かい自由枠の違いで結構違いが出てきたりする。マルチとかで同じクラスで似たビルドでも「ああ、この人はこうしてるんだな」みたいに見るだけでも面白い。
マルチ
このゲームにはマルチプレイモードが搭載されている。モンハンとかそんな感じの協力型のモードだ。他のプレイヤーとともに敵をバシバシなぎ倒していくモード。
プレイヤー数に応じて敵の体力も増していくので、別段マルチだとすごく楽というわけではないのだけれども、クラス同士のバフデバフの相乗効果でハデハデな戦いになって楽しいのは確かだ。
上手い人と戦術が噛み合ってクリアしていけると、「ああ、俺オンラインゲームしてる」という気持ちになる。「ナツノクモ」とか「空談師」とかああいうのに憧れた気持ちがよみがえる。
まあ、問題がないというわけではないのだけれども……。これはあとで話すね。
ストーリーが良い
君はこう思うかもしれないね、「そういうマルチ前提のゲームってストーリーはチュートリアルみたいなものでおまけだよね」と
ところがどっこいかなーり重厚なストーリーモードがついて来る。
地球が滅びたんで、住めそうな惑星を見つけて移住するよ。でも、楽園めいた惑星は超常の力の吹き荒れる地獄だった。人々はその星でわずかな資源を奪い合い、終わりなき戦いに明け暮れることになる。
みたいな話だ。SF物語として結構面白い。「宇宙の戦士」とか「老人と宇宙」とか好きなら、きっと気に入ると思う。実際そう言うジャンルが好きならキャンペーンモードだけでもやってみる価値があるね。ボリュームも結構あってスムーズにやっても十時間くらいはかかるんじゃないかな。
映像もきれいなんだよね。映画みたい。最近のゲームってこんなに映像綺麗なんだって思った。未開の自然とか砂漠がきれいなのはもちろんなのだけれども、戦場とか銃後の町とかの泥とか汚れとか、終わらない戦争で疲弊した感じとかが、生々しく映し出されてるんだ。そういうのの見せ方がすごくうまい。
昨日四回目のストーリーを回ったのだけれども、全然飽きずにできる。SFが好きな人は本当にやってみると良いよ。
良くないところ
ってここまでいいところを上げてきたのだけれども、知っての通り完璧なゲームと言うのは存在しない。完璧な国家というものが存在しないようにね。
問題と言うのは主にマルチプレイに関係するところだ。
どうにもマルチプレイは非常にもっさりとするんだよね。通信形式のP2Pというのが悪さをしている、らしい。
けっこう悪質なもっさり感で、スキルの残り回数が表示されなかったり、敵が消えたり、スキルが出なかったりすることがある。割と致命的だな。
ほかにもクラス間の格差というのもある。マルチモードは基本的にタイムアタックになるので火力がない職はあんまり歓迎されない。範囲攻撃の強いクラスがひたすら強い。敵を倒すことをトリガーにシナジーを組んでるビルドが成立しなくなる。などなど。あまりバランスの取れた環境だとは言えないかな。
あと初期にはバグが多かった。キャラロストするバグがあった、らしい。他にも時間制限があるはずの防御バフが永続するバグがあって、そのバグを直したら、今度は防御力がなくなるバグが出て来たりもした。これはバグではないけれども永続バフが直されて敵の攻撃が強すぎることが判明したりもしたし。
ほかにも大小含めてわりとバグはある。
カイゼン中
とはいえ、現代のゲームはネットワークにつながったゲームなので、ちょいちょいアップデートが入ってバグは修復されつつある。まあ、バグを直したらバグが発生したりもするけど。
ネットワークに関しては回線の良いホストが優先的にマッチングされるようになったので、よくなったはず。(直したというアナウンスがあってからまだゲストでやってないのでわからん)
バランスについてもちくちく調整が入っている。それまで弱くて使い道のなかったスキルに大幅なアッパー調整が入ってビルドの幅が広がったりもした。
もちろんそれで全部の問題が解決したわけではないのだけれども、運営が問題を解決しようとしているというのはかなり希望が持てることだと思うよ。
まとめ
Outridersはなかなか面白いゲームだ。バグやバランスの悪さはあるけれども、それを直すのに運営は意欲的なので、だんだんとよくなっていくだろう。
システムはいろいろ要素を組み合わせてシナジーの相乗効果を探っていく楽しみがある。銃をバリバリ撃ってスキルをハデハデにまき散らすのは気持ちが良い。
都会の喧騒に疲れた君は異星の野生のなかで派手に暴れまわるがいいよ。そう言うのでしか摂取できない心の栄養というものがあるからね。