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岡本喜八『日本のいちばん長い日』について

 この映画は、自分が好きな昭和の名優がたくさん出演しているし、テーマも歴史物ということで好きな映画だ。

 この映画の個人的な見どころは、やはり黒沢年雄のいかれた演技だと思う。危険すぎてずっと目が離せない。また、こういう演技ってすごく疲れると思う。俺なんか、職場の不審者対応避難訓練で不審者役をやり、バットを振り回して怒鳴りまくっただけで、その後疲れ切って仕事にならなかった。俳優ってのは精神も体力も削る大変な仕事やなと思う。

 そんな黒沢年雄に対し、笠智衆演じる鈴木貫太郎首相の落ち着きっぷりが半端ない。鈴木貫太郎本人も、多分すごく上品な方だったんだろうと思う。鈴木貫太郎は、戦争末期の難しい局面で昭和天皇直々に依頼されて首相に就任した人物で、個人的にも好感をもっているのだが、そんな鈴木貫太郎を大好きな俳優である笠智衆が演じているのは嬉しい。

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