2019年の活動紹介
2019年に行った活動をご紹介します。
4月13日 春のほっとくらぶまつり
2019 年 4 月 13 日、新たな試みとして「春のほっとくらぶ祭」を松本市波田公民館にて開催しました。 新年度の企画、活動計画発表と今まで応援して下さっている皆さんへの活動報告と、一緒に楽しむ仲間との思い出を振り返るひとときとして企画した、2 時間程のイベントです。
13 時頃にこれまでの家族レスパイトをまとめたスライドショーからスタートし、2019年の活動計画も発表しました。
お祭りですから遊びも大切な要素です。今回は 3 名のピエロによるショーを楽しみました。ピエロさんの指導で皿回しをみんなで楽しむ場面も。爆笑のうちに時間が過ぎていき ました。
その後に長~いロールケーキやお茶などを味わいながら歓談する時間を設けました。笑いあり、ほっとくつろぐひとときありと、ほっとくらぶらしいイベントになりました
5月11日 富士見高原・天空の遊覧カート体験
2018 年に第 1 回を開催して好評だった富士見高原リゾート(長野県諏訪郡富士見町) での天空の遊覧カート体験を再び第 2 回目として 2019 年も 5 月 11 日に開催しました。
10 時頃、富士見高原リゾートに集合した後、天空の遊覧カートに乗って標高 1,420mの 山上を目指しました。
新緑の見頃を迎えたシラカバ林や、名残のサクラが咲く林などを縫うように、自動運転のカートで登っていきます。アウトドア車いすの「Hippo」をカートに背負って登るご家族もいました。
約 25 分で終点に到着すると、まずは 180°の展望が広がる展望デッキへ。この日、富士山こそ雲の中でしたが、甲斐駒ケ岳などの南アルプスや、諏訪湖方面などが一望できま した。
山上は眺めのいい散策コースになっています。ミツバツツジツツジやサクラが咲く遊歩道などを歩いて深呼吸。日当たりのいい斜面で山菜を摘む人も。思い思いの方法で緑の開幕シーズンを楽しみました。
ほどよくお腹が空いた頃にカートで下山。昼食は富士見高原リゾートにケータリングをお願いしました。メニューはハヤシライス、唐揚げ、サラダ、スープなど。たっぷりつくって頂いたので、ほとんど食べ放題の状態でした。富士見高原リゾートの方が差し入れし てくれたきのこのアヒージョなどの裏メニューも大人気でした。
食事後は近くの森に吊されたハンモックや、スラックラインなどで遊びました。アウトドアストーブで焼きマシュマロを焼いたり、フルーチェをつくったりするひとときも。とことん遊び心に満ちた午後になりました。
そうこうしているうちに楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。日が落ちるとまだまだ寒さを感じる季節なので、3 時過ぎには解散して帰路につきました。 ちなみにこの日はとてもきれいな環水平アーク(水平にかかる虹)が見られました。まるで 2019 年のほっとくらぶの活動スタートを祝ってくれているかのような、神々しい光景でした。
7月6日 筑北村日帰りキャンプ
毎年恒例の筑北村日帰り家族レスパイトを、2019 年も 7 月 6 日に開催しました。 10 時頃に「とくら沢ふれあい広場」に集合後、ゲストは目の前の公園へ。スタッフとボランティアは手分けして昼食の準備をスタートしました。
参加者 41 名です。 メニューはバーベキューと石窯での焼きたてピザ、流しそうめん、冷やしきゅうり、おやつの時間のかき氷と、いつものように盛りだくさん。ピザは生地づくりからみんなで楽しみます。何でも遊びにするのがほっとくらぶ流なのです。
2 時間ぐらいかけてゆっくりと昼食を楽しんだ後、ゲストはいつも通りデイサービスセンターの温泉へ。それ以外のご家族や子どもたちは自由時間に。公園でシャボン玉遊び、バトミントン、昆虫採集、サッカーなどを楽しむ子もいれば、ゆっくりと温泉で疲れを癒すご家族も。思い思いのひとときを過ごしました。
日が暮れた 18 時頃、西条温泉とくらの研修室で夕食を楽しむ時間となりました。夕食の調理は毎回、筑北村の食生活改善推進員さんたちが手作りしてくれます。
メニューは筑北産米のおにぎりと、地場の食材を使った盛りだくさんの料理(ラタトゥイユ、夕顔のうすくず煮、カボチャのツナソースかけ、鶏肉のカラフル和え、冷やしすいとん、オニオンサラダ)です。デザートとして冷凍果実のヨーグルトハチミツ掛けも用意してくださいました。 「筑北村フルコースメニュー」といってもいいかもしれませんね。
今回は初参加となったゲストが多かったのですが、レストランでも味わえない料理ばかりなので、みなさ ん感激されていました
お腹がいっぱいになって眠くなる前に楽しかった一日の感想を共有した後、19 時頃に解散しました。ちなみに夕食はいつもたくさんつくってくださるので、食べきれず残った物は全ていつもと同じように、皆さんでお楽しみのおみやげにさせていただきました。
8月31日~9月1日 北陸 海旅行
1日目
過去に旅行やイベントで天気が大きく崩れたことのないほっとくらぶ。今回も前日までぐずついた天気が続きましたが、当日の朝は青空が広がりました。
長野県立こども病院に集合後、みんなで1台のバスに乗り込みました。参加者はゲスト(医療的ケアなどが必要な児童)が3名、そのご家族が7名、スタッフ・ボランティアが 10 名の総勢 20 名です。
バスは毎回、リフト付きの観光バスを借りています。普通の観光バスは床の高さが大人の胸ぐらいのため、ゲストの乗降時に子ども用車椅子から降ろして抱きかかえ、狭い階段を上り下りしなければなりません。危険が伴う上に、本人の負担も大きいなど多くの懸念がありました。その点、リフト付きバスは車椅子ごとあっという間に乗り降りすることができるばかりか、車椅子の固定フックもあるので安心です。
ただしリフト付きバスは長野県内でも 2 台と、台数が限られているため料金設定が高めです。また、故障に備えてもう一台を待機させておく必要があるとのことなので、できる限り早期に予約する必要があります。毎年、収支の見通しががたたないうちに予約する必要があり、不安を感じていましたが、今回は早くから多くの方々が実施に協力してくださったので、安心して予約することができました。
9時頃にこども病院を出発したバスは、安曇野インターから長野道に入りました。ルートはゲストの負担も考えて、できる限り高速道路を使うようにしています。今回も長野道、 信越道、北陸道、能登自動車道と乗り継ぐルートにしました。
ちなみに旅行ルートは数カ月前にスタッフが、できる限り下見をするようにしています。というのも行き当たりばったりでは安心して旅行が楽しめない上に、旅行の満足度が下がってしまう場合が多いためです。チェック項目は訪ねる場所のバリアフリールート状況や、エレベーター・通路の寸法、障害者用トイレの有無、お湯や水などが確保できる場所の確認、 ホテル・浴室の広さ、電源の位置などです。
旅行の話に戻します。バスは自己紹介を兼ねた「私は誰でしょう」ゲーム(各自が書いた ヒントを参考にして誰かを当たる)を楽しんでいるうちに、10 時半頃、最初の休憩地、道の駅あらいに到着しました。 ここにはさまざまな飲食店や土産店が集まっています。めいめい好みの店で食事や買い物を楽しみました。また、医療的ケアが必要なゲストと医療スタッフが一緒に過ごし、その間、ご家族にゆっくりと食事を楽しむ時間も設けました
道の駅あらいを 12 時頃に出発したバスは、上越 JCT から北陸道に入りました。このあたりから進行方向右手に海が見えてきます。海の青さに旅行への期待がふくらむうちに、最初の目的地、親不知海岸に着きました。
ほっとくらぶでは、遠くから海を眺めることだけで終わらせず、できる限り海岸線に近づき、ゲストが海にタッチダウンするようにしています。これは「できる限りみんなと同じ時間を過ごす、経験をする」ことを大切にしているためです。安全を確保した上で、「障害や病気があるからあきらめる」という選択肢を、できる限り減らしたいと考えています。
今回もゲストはバスから降りて、みんなと一緒に海岸へと向かいました。海水浴シーズン後の親不知海岸は割とすいていますが、懸念点がありました。それは石が多くて足場の悪い海岸が続くことです。車椅子に医療機材を載せているゲストもいるので、極力衝撃を避ける必要があります。そこで考えたのが荷物運搬用ベルトを車椅子に掛けてゲストごとかつぐ方法です。車椅子とゲストは荷物も含めて大人一人程度とそれなりの重さになりますが、前 2 名、後ろ 2 名で担ぐことで重さを分散させながら、なるべく揺らさないようにして波打ち際に向かいました。
海辺では潮風を感じたり、記念写真を撮ったり、貝殻や小石を拾ったりして過ごしました。また、スタッフの一人がゲストを抱っこして、海にタッチダウンすることにも挑戦しました。ほっとくらぶにとっては毎回のことですが、中には「生まれて初めて海に連れて来られた。そして海に触れた。」というお子さんも。「家族だけでは海岸までは無理とあきらめていつも遠くから見るだけで、自分達だけでは無理と思っていた事が、皆さんの力で海に触れられました。感動です。」という感想をいただきました。
14 時頃に親不知海岸を出発し、能登半島・和倉温泉の旅館に向かいます。何をしていても目的地に着くのがバス旅行のいいところです。
ほっとくらぶは旅館で過ごす時間を楽しむことも大切な目的と考えて、毎回、スケジュー ルのゆとりを大切にしています。今回の宿、「のと楽」に着いたのも 16 時半頃と早い時間でした。「のと楽」は七尾湾が一望できる海際、広い空を背景にしてすくっと建つ老舗のリゾート旅館です。ちなみに宿は毎回、立地や眺め、ゲストが入るお風呂の広さ、バリアフリー度、料金とのバランスなどを考えて決めています
食事までの約2時間は自由時間にしました。温泉で手足を伸ばす、旅館内を探検する、海辺を散歩する、日課のジョギングを楽しむなど、思い思いのひとときが過ごせたようです。その間に医療的ケアが濃厚なゲストさんも、医療スタッフの介助でゆっくりと入浴して、ご家族は温泉を楽しむことができました。
夕食はみんなが一部屋に集まって楽しみました。コースの肉・魚料理、お造りや、バイキングのブッフェ料理を好みで楽しむスタイルです。ゲストさんは特別に用意してもらった お膳の料理をミキサーにかけて注入したりして味わいました。
慌ただしい日々を過ごすゲストご家族にとって、旅先の温泉でくつろいだ後に浴衣に着替えて、ゆっくりと飲食を楽しむ時間は生涯に数えるほど。そのためか自然な笑顔がこぼれます。その様子を見るスタッフも嬉しくなる。 夕食はそんなひとときになりました。
また、ゲストさんのご家族同士や、参加者全員と語り合う貴重な時間にもな り、歓談混じりの食事は約 2 時間にわたりました。その後、海岸沿いの遊歩道で花火を楽し むなど、能登の夜を存分に楽しんでから床に着きました。
2日目
2 日目の朝、各部屋にはオーシャンビューの窓から朝日が降り注ぎました。ほっとくらぶのイベントでは天気が大きく崩れない記録はまだまだ続いています。
バイキングの朝食をゆっくりと楽しんだ後、9時頃にバスに乗り込みました。行き先は和倉温泉の対岸、能登島にあるのとじま水族館です。波が日差しにきらめく海沿いの道を進むバスは、あっという間に水族館に着きました。
まず全員で向かったのはイルカショーです。海を背景にしたプールで飛び跳ねるイルカに、みんなの視線が釘付けです。その後、12 時の集合時間まで、自由に水族館見学を楽しみました。
のとじま水族館では多種の魚介類をはじめ、ジンベエザメ、ペンギン、ラッコ、アシカなどが観察できます。夏休みの最終日にあたるのでやや混雑していましたが、太平洋側の水族館のように人垣で水槽が見えないということはありません。みんなたっぷりと海の生き物と過ごす時間を楽しむことができたようです。
のとじま水族館を出発したのは 12 時頃。いよいよ旅行のフィナーレです。その前に道の駅のとじまに立ち寄り、食事をしたりお土産を買ったりするなど、旅行を締めくくる時間を過ごした後、バスは昨日のルートを逆にたどり、17 時半頃、無事にこども病院に着きました。
家族だけではゆっくりと寛げず、医療的ケアがあるからこそ不安だけど、医療スタッフも同行し安心して遠出ができる家族旅行支援のほっとくらぶで、皆さんが一緒に居て下さることで、外に出る勇気が持てた。遠出が不安だったけど、安心して子供と一緒に楽しめた。とご家族からの言葉をいただき、スタッフ全員がまた次も企画しなければと思います。
12月1日 クリスマス会
毎年恒例となったクリスマス会。今年は 12 月 1 日の 13 時 30 分より、長野県立こども病院の南棟会議室で開催しました。参加者は約 64 名。うち障がい児者家族 11 組の参加があり、多くの方に参加していただけるイベントになりました。
まずはクリスマスツリーづくりからスタートしました。それぞれの手の形に合わせて緑の画用紙を切り抜き、メッセージを書いてボードに貼っていきます。最後にデコレーションをすれば完成です。今年もきれいで楽しさに満ちたツリーが出来上がりました。
続いてサクソフォンアンサンブル「Ami」さんによるコンサートを楽しみました。4 人のサックス演奏者が奏でる、パワフルでありながらきれいな音色が会場に響きます。歌いたくなる曲、踊りたくなる曲、目を閉じて集中したくなる曲などの演奏が 1 時間ほど続き ました。
続いて 7 種類のケーキバイキングとお茶を楽しみながら、2019 年の活動を振り返るスライドショーや、活動紹介を行いました。会場からは「みんなの楽しそうな顔を見て参加したくなった」 、 「スライドに感動した」、「活動の様子が良く分かった」といった声が聞かれました。ちなみに活動紹介の間、子どもたちはフルーチェづくりを楽しみました。
その後、3 名のサンタさんと 1 名のトナカイさんがクリスマスプレゼントを持って会場に。お母さん一人一人にもプレゼントが手渡されてビックリ!! 子供たち一人ひとりにくじを手渡していきます。引き換えてすぐにプレゼントを開けた子どもたちからは歓声が!! スタッフ一同、「喜んでもらえてよかった」と胸をなで下ろしました。最後には参加者全員で記念写真を撮り、お開きとなりました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?