ブルースとの出会い
2年前のある日、僕は彷徨っていた。子供が産まれる予定があった。
それは初めての事で、今までやってきた事を中断しなければいけないのではないか?
今まで貯金もせずにヘラヘラと生活していたもので不安が絶えなかった。
そんな時にブルースと出会った。
ジュニアウェルズとバディガイ『Cryin‘ Shame』の映像。
ブルースに対して今まで苦手意識がずっとあったが、この映像を見た時の衝撃は凄まじかった。不安な気持ちが吹き飛んでいったのだ。何がとはよくわからない、うまく説明もできないが確かに救われたのだ。
魂の奥底の哀しみなのか苦しみか、はたまた叫びなのか。
ごちゃ混ぜになった気持ちが確かに鳴り響いていた。
ここからだ。
僕の新しい生活がはじまったのは。
【シカゴ】【ミシシッピ】【デルタ】【ルイジアナ】【ニューオリンズ】【テキサス】そして、【アーカンソーヘレナ】
ブルースの歴史や文献、資料、動画、そして音源を漁った。そこには自分が想像していなかった、出会った事のない世界が広がっていた。
ブルースは悪い時代が生み出した魂の音楽だと思う。
僕は今を生きている。
当時の彼等の哀しみはわからない。その時代や事実を学んで僕の音楽として叫ぶしかない。現代の不条理、今の哀しみ、そして希望。
それをゲラゲラ笑って仲間と歌おうじゃないか。あるブルースマンが言っていた。
楽しくなけりゃあブルースじゃない。
昔からのブルース愛好家の方々からすれば*こんなもの*と思うかもしれないがこれが正真正銘
私のブルースなのだ。
vo&harp サキハラ