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不思議な老人からの教え その⑪ どん底から這い上がれ!

最高の人生、順風満帆な人生っていうけど、何が最高で、何が、どん底か??
という基準って無いような気がします。すべて本人の考え方次第ですよね。

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ふと、高校、大学の頃を思い出しました。

学生時代の夏休みは毎年、T&Sブラザーズという米軍専門の引っ越し会社でアルバイトをしていました。
鎌倉の夏はサーフィン、ウインドサーフィンの季節。
でも、サーフボードやウインドサーフィンのエクイップメントを揃えるのは、かなりお金がかかります。

T&Sブラザーズは、横浜南部市場の近くにありました。
毎日、朝早くから、HONDAシャリーで朝比奈峠を越えて
僕はバイトに来ていて、暑い中、倉庫の中から荷物をトラックに積み込んでいました。
ちょっと仕事の手を休めて、倉庫の入り口から会社の前を通る、交通量の多い道路を見ると、ちょうどウインドサーフィンのボードを積んだ友達の車が通り過ぎて行くのが見えました。

この引越し屋は、アート引っ越しセンターとか、引越しのサカイみたいな、普通の引っ越し屋ではなく
アメリカ軍と契約していて、アメリカ兵の専門引越し屋です。
例えば、カリフォルニアの空軍基地から、日本の横田基地に転勤になってきた兵隊とか、ハワイの海軍基地から横須賀基地に転勤になってきた兵隊の荷物を運ぶ仕事です。

業務は2種類ありました。

1つは大型トラックで横浜港に行って、アメリカから来たコンテナを積んで会社の倉庫に運ぶ仕事。
もう1つは、倉庫のコンテナを仕分けしてトラックに載せ、アメリカ兵の引っ越し先の家(横須賀や相模原、厚木など)まで届けて、荷物を家に入れ込む仕事。

横浜港から積んできたコンテナを一旦会社の倉庫に入れ、蓋を開けて中身を取り出します。
コンテナといっても、大型の鉄製もあれば中型の木製もあります。
中に何が入っているか?こっちは全くわかりません。

引っ越し荷物というと
普通は、家具や洋服などを想像すると思います。
しかし、このコンテナを開けるときは、いつも変な楽しみがあったのです。
たまに出てくるのは、ハーレーデイビッドソン。
初めに見た時にはびっくりしました。

あと、必ずといって良いほどコンテナの中に入っていたものは、コークの空き缶、タバコの吸い殻、あとはゴミ、使用済みの接着剤のチューブ、ロープ類、噛んだガム。ソファーのクッションの下には、隠すようにゴミが詰め込まれていました。
アメリカの引越し作業員が、首に巻いていたと思われる、汗臭い汚いタオルも良く入ってました。

なぜ、そんなゴミまで日本に持ってくるのか?
と、思うでしょう?


アメリカ兵の引っ越しは、軍が費用負担してくれる為、彼らは、アメリカに住んでいた時の家の荷物を、自分たちは片付けもせず、触らずに、体だけ日本に来るようです。
全て業者がアメリカの家の荷物を纏めてコンテナに入れ込んで、YOKOHAMA行きの船に積み込むのです。

その時に作業をするアメリカの引越し屋が、作業中に飲んでいたコークの缶や、タバコの吸い殻を、そのままYOKOMHAMA行きのコンテナに放り込んでいたのです。
あと、家庭内にあるゴミ箱。リビングとか寝室とかにあるゴミ箱も、多くコンテナに入って来ていましたが、なんと、それは、アメリカの家庭に置いてあったまま、ゴミが入ったままの状態で、送ってきていました。
ゴミを捨ててからコンテナに乗せれば良いのに。

しかし、アメリカ人って、恐ろしく適当だな。と思いました。

ウインドサーフィン仲間には、市会議員の息子や、郵便局に土地を貸している大地主の息子などもいて、
彼らは、夏休みにはバイトなんかしないで、親に買ってもらった車で
女の子とドライブをして遊んでいました。

20歳前後で感じた、感覚、
いーなあ。。
彼らは、生まれながらにして、最高の人生じゃん。
そして今後も順調に人生を送るのだろうな。と。
僕は毎日、暑い夏の日差しの下、クタクタになって
1ヶ月働いて、やっとの思いで数万円を手にするのか。。。
金が無くって、どん底だよ。

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あの学生時代から、何年も経ちました。
人生の流れのままハワイに渡り、時計を売って生活をしています。

環境が変わって、年月が経っても

汗水流して
学生時代に引越し屋でバイトをしてた時と
なぜか感覚がまったく同じままなんです。


10万ドルの「種銭」を貯めるぞ!!!と誓い、倹約生活を始めて
1年位経った頃でしょうか、

セントラルパシフィックバンクのステートメントを見てみると
貯金が7万ドルを越えていました。
ちょっと前まで5万ドルくらいだったのですが、その後、
中古時計のオークションでの売れ行きが良くって、一気に7万ドルまで貯まりました。
目標の10万ドルまで、あと3万ドルです。
あと半年あれば、なんとか達成できそうに思えました。
根拠は無いですが、自信がありました。


ある日
家で、山根さんと顔を合わせた時に

「金は貯まってきたか?」 と聞かれました。

僕は、貯金残高は言いませんでしたが、

「結構目標金額に近くなって順調に貯まってきてます!」 と答えました。

すると、こう言われました。


「種銭が貯まったら、金持ちになる第一歩をスタートしろ。
今までは、金に支配されて、金に振り回されていたと思うが
種銭を生かすことで、金をコントロールするように成れる。
金は生き物で、ものすごいパワーを持っている。
なので、限られた人間にしか金をコントロールすることは出来ない。
ほとんどの人間は、金にコントロールされている。
種銭で、商売を始めるのも良いが、まずはホノルルに不動産を買え。」

不動産を買うなんて、考えてもいなかった為
ハワイの不動産って高いんだろうな。。
くらいの感覚しか持ってませんでした。

不動産か。

でも、7万ドルじゃあ買えないだろうな。

いや待てよ?
山根さんが言うのだから、何か意味があるだろう。
ちょっと調べてみようか。

不動産か、、、と考えていると
山根さんに、言われました。

「どん底から這い上がれ。」

翌日から
ハワイの不動産の広告を見て、相場を研究したり
人に不動産情報を聞いて、知識を得ることに集中しだしたのです。
















































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