京都暮らし:9月のとある日(建仁寺)
9月のとある1日。
「今日はお互いの好きなお寺に行こう」
ということになった。
デート先で「お寺」という選択肢が出てくるのが、いかにも京都らしい、と我ながら思う。
私たちはそれぞれ京都に関する動画や記事を作成している。私はYouTube動画作成で、彼女は記事作成。そんな目的もあって、寺社仏閣巡りを月に3〜4回は実施しているのだ。
(もちろん第一に「お寺好き」の感情があるのは言うまでもない)
さて、「好きなお寺」か。。
難しい議題だなと思う。
というのも、9月の京都はまだまだ灼熱地獄で、最高気温は当然のように33度をマークしている。
まあ静岡にはもっと暑い地域があるというし、
エジプトのアスワンに関しては50度を超えた訳だから、あまり文句を言ってはいけない。
とにかくまだまだ夏真っ盛りの京都なのだが、その時点で「清水寺」や「銀閣寺」は旅の選択肢から外される。
敷地内を散策するタイプの寺社仏閣は、夏の観光に適さないから。
夏の寺社仏閣巡りは、
「屋内の涼しい空間で、静かな時を過ごせる」
という条件が何よりも求められるのだ。
いやしかし、そんな都合の良い場所があるのか???
蓮華寺?梅雨の時期に行ったばかりではないか。それじゃあ無鄰菴?いや、あそこは予約がいるし撮影も厳しい。
うーん、うーん。
頭を捻らせた私たちは、ようやく一つの最適解にたどり着く。
ーーー「建仁寺」だ。
夏の建仁寺は涼しくて居心地が良い
建仁寺までの道のりは至ってシンプルで、「花見小路」をひたすら直進するだけ。花見小路は「お茶屋さん」などが多い通りで、夜になると「雅な京都」らしい雰囲気になる。
そのため外国人観光客のフォトスポットとして大変人気なのだ。
この日は珍しく人通りが少なかった。なぜだろう。なんだか得した気分。
外は暑いが、7月〜8月のうだるような暑さは無くなり、「まだ耐えられるレベル」だった。
この赤提灯が良いなと思う。
夜になると一斉に発光するのだ。
建仁寺に到着。
この時期は「ライトアップ」が開催されており、門前にモニターが立っていた。
ハイテク×建仁寺か。時代は進化していくな。
入ってすぐの場所にある方丈庭園。
白砂を波打たせることで、水の気配を感じさせている。いわゆる枯山水庭園だ。
枯山水とはつまり
「水が無いなら、砂を波打たせれば良いではないか」
という発想が始まりらしい。
そこに琵琶湖疎水が引かれる事で、
潤沢な水を用いた庭園が造られるようになった。
一軒家に住んだことのない私にはそもそも「庭」の概念がないのだが、
自宅に「水場のある庭」があるのは魅力的だなと思う。
水の「流れ」をただぼんやりと眺めていたい。
雨粒の音を感じていたい。
その感情はたしかに自分の中にも存在する。
水はないけれど、どこか涼しく感じられた。
建仁寺は自由度が高く、好きに和める。
建仁寺といえば「○△□乃庭」。
意味合いとかは正直よくわからないけど、
このような取り組み自体が面白いと思う。
庭全体で宇宙の根源的形態を示しているらしい。
建仁寺は来訪者を和ませる仕掛けの多いお寺だなと思う。
というのも、建仁寺にはゆったり過ごせるスペースがかなり多いのだ。
ベンチでゆったり座りながら
「○△□乃庭ってどういうことだ?」
と思索にふけってみたり、
他のお庭を周って、それぞれをじっくりと眺めてみるのも良いだろう。
あるいは瞑想を試してみるのも面白い。
寺社仏閣は瞑想にうってつけだ。他のお客様に迷惑のかからない範囲で、プチ瞑想でメンタルを整えてみてはどうだろうか?
襖越しの潮音庭が最も美しいと思う。
額縁に飾られた絵画のように庭園風景を楽しむという形式は、
大原の「宝泉院」でもお馴染みだ。
(宝泉院には額縁庭園と呼ばれる庭園がある)
自分にスケッチの才能があれば真っ先に題材にしたい一枚。
フランソア喫茶室で贅沢に涼むひと時。
帰りにフランソア喫茶室に立ち寄った。
二人とも暑さで疲れ切っていたのだ。
短いながらも列が出来ていたので諦めかけたのだが、3分ほどで入室できた。
フランソアについては思い入れが結構あるので、後日詳しく書いてみようと思う。
錦市場といえば「あんバター鯛焼き」。
せっかく河原町に来たのだからと「錦市場」に立ち寄った。
普段来ることはほとんどないけど、今回は目的があったのだ。
こちら「錦一葉」というお店の
「あんバター鯛焼き」。
YouTubeショートの動画を観て知ったお店なのだが、「賞味期限1分!!」というキャッチコピーが今っぽくて良いなと思った。
映えるだけではなくて、
味もしっかり美味しかった。
バターがジュワッと溶けて、
あんこもなめらか、生地もしっとり。
おすすめです。
→YouTube動画はこちら
【京都Vlog】夏の建仁寺巡り #kyoto