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第35回イベントレポート『恵の雨を受け取る斜面改善造作』
2022年3月5日、気温は今年最高の18°c。
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関東地方でも春一番が観測された中、初参加の方1名をお迎えし、総勢8人で森に入りました。
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足元の陽だまりには、色とりどりの早春の小さな花たちが咲き乱れています。
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と、沢の入り口の所で、頭上に何か動くものを発見!
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〝何か〟は空から、地上に舞い降りて来ました。
冬眠から目覚めたばかりの生きもののようです。
まだ寝惚けているのでしょうか?!、、、かなり近寄っても逃げません。しばらく観てたら、木の葉のようにしか見えなかった翅を、ゆーっくりと開き始めました。警戒心を解いてくれたようで、春の陽射しで身体を暖めようとしています。
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視線を上げて周りを見渡すと、そこかしこに何頭ものチョウたちが春を謳歌するように飛び交っておりました。東京都では一時期、絶滅を危惧されていたチョウですが、2020年からレッドリストから外れ、ここ恩方の森でも普通に見られるようになり、誠に嬉しい限りです。
もっともっと、たくさんの種類の生きものたちが増えるといいなぁー!!
しかし、思えばいつも下ばかり見ていたんだと、あらためて気づかされたような気がしました。
もっと周囲や、上も見ないとですね。
山の〝天狗さん〟、ありがとうございました!
恵みの雨を、受け取るために、、
ホタルの会で行っている様々な造作は、すべて、森を元気にすることに繋がっています。
小さな足掛かりの一歩も、しがらみや小道づくりも、雨水が地表から流出しないようにするとともに、菌糸や植物の根が伸びる手助けをし、地中の水と空気の流れを改善して、山が健康になるための〝きっかけ〟になると信じてやっています。
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沢から上の斜面を見上げ、雨が降った時に水がどう流れるのか、そして見えない地下の水は、今どのように地中を流れているんだろうか、地形の微かな起伏も観察しながら、足掛かりやしがらみが何処にあったら効果的かを考えながら斜面に入りました。
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今日は、前回トラバースの小道をつくった所から更に上を目指します。
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視線を下げて斜面を良く観ると、小さな山と谷があることに気づき、雨水が地表を流れ出た痕跡が見えて来ます。
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そうした場所では、表層を覆っている筈の落ち葉が全く無く、下草の緑も苔も芽吹いてなく、土が剥き出しになっていたりします。
ここを改善しながら、上に登るルートを造作していくことにしました。
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結構な急斜面ですが、参加2回目の小学生の男の子が、身軽に果敢に、先陣を切ってくれました。
スコップ(移植ごて)ひとつで、足掛かりを造作しながらスルスルと登ります。
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子どもがつくった足掛かりに、おとなが炭と小枝などの有機物を入れながら続きます。
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斜面の縦に倒れている枯れ木などは、等高線上に置き直しながら進みます。
この時も足掛かりと同様、斜面に直角断面を切って炭と枝葉を入れて土壌の改善を促します。
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今日は、二手に分かれて道を通し、広範囲に斜面の改善に繋がるように造作しました。
直上はせず、S字を描いて登り進みます。
〝道路以曲為吉以直為凶〟、、、道は曲がるを以って吉と為す、という風水の教えに従い、大雨の時に表土を流出させる水の勢いを少しでも和らげようとの試みです。
自然の中で暮らして来た先人の故き教えは、理にかなっているなーと思いました。
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人間に出来ることは、精々このあたりまで。
あとは自然に委ねます。
つくった足掛かりの、一つひとつが、雨を地面に染み込ませ、炭を介して菌糸を呼び込み、植物の根と力を合わせながら地形を安定させ、荒廃していた林床の命の営みを復活させていくんです。
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今回が初参加のSさん、シャベルの扱いにも慣れて来ました!
昨年、上から通して来て落葉広葉樹の苗木を植栽した所まで、道が繋がりました。
沢には僅かに水が残ってた!
昼食を摂るため、いったん降りて来たところで、参加者の方が沢に水が残っているのを見つけました。
さっそく皆んなで見に行ってみると、、
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最近は雨が少なかったにもかかわらず、僅かですが点々と水が涸れずに残っていました。
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流れを堰き止めている石や枝をどかしていくと、
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あっとゅうまに水が動き始め、流れが繋がりました。この山の地下でも、体内で滞ってた血の廻りが良くなったように感じました。
ランチタイム♪
沢の上の広場で、お昼ご飯をいただきました。
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楽しい話題が弾みます。
森づくりの話しから、味噌づくり、醤油づくり、納豆づくりの話しまで、、、、
「ぜんぶ、〝菌〟が大事なんですよネー」
「もっと炭が大量に欲しい、〝炭が地球を救う〟よね」
などなど。
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しばし長閑に食休み。
奥の方に、ハンモックで寛ぐ方の姿が見えます。
森でハンモックを楽しみたい方はコチラから是非
↓
至福のひと時です。
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落ち葉を集めに山登り
午前中に造作した場所には落ち葉が殆ど無かったため、午後からは山の上の広葉樹林まで、葉っぱを集めに登ることにしました。
山を登りながら、沢を取り囲む広い範囲の地形を観察することで、降った雨が、地表と地中をどのように動いて沢に向かうのか、想像をめぐらすことが出来ました。
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こんな時にも、斜面を崩しそうだと感じたらサクッと足掛かりをつくります。必ずしも炭を入れなくても、手の届く範囲の小枝や枯れ草をちょっとでも、何もなかったり、あるいは先を急いでるのなら、スコップひと掻きするだけでもいい!、、無理して頑張ることはないんです、無理は続きませんから^_^
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広葉樹林まで登ってくると、落ち葉が吹き溜まっている場所がありました。
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土を露出させないように、手分けして集めます。
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瞬く間に、90Lの袋がパンパンになりました。
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午前中に造作した足掛かりに入れ、周辺にも撒いて、本日の作業を終えました。
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一日のふりかえり
作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。
参加された方々の声
♡ S.Hさん(女性)
「今日はとても楽しい時間、興味深いお話、ありがとうございました!。集まる人たちの会話もとても新鮮でした。自分の周りでは聞けない自然と触れて感じてる方たちのお話でワクワクしました。
初めての参加でしたが、森のお手伝いでは、自然の巡りを聞いて大きな大きな流れの中に人間もいるんだなぁーと思いました。
次また日程合えばぜひ行きたいと思います。」
♡ M.Hさん(女性)
「初参加の友だちを誘って来ましたが、初めて森と触れる時の反応を見てたら、逆に私の方が気づかされることがあって、視野が広がって良かったです。職業がら友だちと〝乾燥肌〟のことを話していて、雨水を受け止められなくなっている山肌も、人間の肌も、根本的な土台から改善しないと本当の健康には繋がらないんだなと、あらためて実感しました」
♡ M.Uさん(男性)
「水が流れる所を、下を見て、上を見て、視野が広がった。物理的に上へと登ることで、山全体の水の流れを読むことも出来た」
♡ S.Hさん(女性)
「いい日でした。新しい人が来たり、良い出会いがありました」
♡ N.Hさん(女性)
「久しぶりの春の天気で、最高に気持ち良かったです。今日はまさか山に登るとは思っていなかったので、ワクワクしました」
♡ K.Hさん(男性)
「木の葉を集めるのが、面白かった」
主催者ふりかえり
「朝イチで今年初めて見るチョウたちが、まるでホタルの会の私たちを出迎えてくれたかのように乱舞していたのが嬉しかった。ホタルをシンボルに手入れを進めてゆくことで、他の生きものたちも増えてくれたらいいと思った。
今日は2グループに分かれて並行して作業を進めることで、新たな可能性と課題も見え、枯れ沢とホタルの復活に向かうビジョンをより具体的肯定的にすることが出来て良かった。これからの活動が益々楽しみです」
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参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!
今後の活動予定
◎ 現時点で決まっている今後の予定は、
3/14(月)
4/9(土)
4/27(水)
です。
5月以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。
協力感謝
『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。
公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。
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さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝2021年度環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。
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ありがとうございます。