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第36回イベントレポート『地形を読み、見えない水の流れを視る』

2022年3月14日。

朝、家を出る時は雨だったのに、高尾駅に着くと予報通りに、空は青く晴れ渡っていました。

高尾駅北口のロータリーより恩方方面を望む

「やっぱり天気予報ってスゴいな、気象予報士って現代の風水師なのかな」

去年、とある朝の連続ドラマにハマり、気象予報士のテキストを衝動買いしたものの、あまりの難解さに1ページ目で挫折した私は、そんなことを思いながら森へ向かいました。

今にも開花しそうな、膨らんだ蕾ひとつ


風水とは本来、水と空気の流れを読み、その土地の環境を傷めることなく、自然と共に暮らしてゆくための古来から伝わる智慧。だけど今の時代では、その一番大切な部分が忘れ去られてしまっているような気がします。天気予報も、傘が必要かだとか、何を着て出かけるかだとか、オシャレのためのツールみたいになってるし、、。

と、いかんいかん!、朝から年寄りの苦言みたいになってしまいました。

気持ちをポジティブにシフトして、今回の活動をレポート致します。今日もたくさんの出会いと、新しい学びに溢れた、素敵な一日になりました。

朝のチェックインの様子

集まってくれたのは総勢5人。

この日は、ここからずっと森で繋がっている青梅から、リバーカヤックのスペシャリストで、水の流れを読む達人でもあります、後藤めぐみさん(以下フォレストネームめぐみん)が、ホタルの会に初参加で来てくれました。

ひと回り自己紹介して今日の抱負などシェアしたところで、竹林の向こうから二人の若者が現れました。この森と隣接する草原(耕作放置地)で、自然農法を用いた新たなプロジェクトを立ち上げようとしてるとのこと。話せば森への想いは同じだし、目指したい未来も一緒、お互いのエールを交換し合いました。
人類の未来がかかった(と私は勝手に思ってる)画期的プロジェクトは近日スタート。詳しくは、コチラを是非ご覧ください!


森と、沢と、ホタルと、そして里山の復活、、、時代が、足を速めて動き始めているのを感じる、朝の楽しい出会いでした。

地形を読めば、水の流れが見えて来る

ここ何回か、苦戦を強いられている、山肌の荒れがなかなか止まらない斜面に入りました。

今まで、足掛かり、倒木処理、しがらみづくり、階段づくり、トラバースの小道づくり、更に落葉広葉樹の苗木植栽と、少しづつ手を入れて来ましたが、雨の時に流れた土で足掛かりが埋まってしまったりして、なかなか地形が安定しない場所です。
今日は、斜面下の地形の変わり目に、溝を掘っていく予定です。

斜面を観察しながら、皆んなで相談

〝地形は、変わり目が大事〟と話していたら、

「提案があります」

と、めぐみんが手を挙げてくれました。

・今の状態のまま地形の変わり目に溝を掘っても、また少しずつ土が流れ混んでしまう
・先に、上の斜面に、小さくても深めの穴を、点々と掘った方が良い

まず移植ごてで縦穴を掘り、

その場ですぐに、お手本を見せてくれました。

小枝を刺す

◎ 造作のポイントは、
・スコップ(移植ごて)で縦に垂直に穴を掘る
・さらに深くまで、貫通ドライバーを刺すと良い
・炭と落ち葉を入れながら、小枝を刺す
・ぐらつかぬよう、地上にはみ出てた枝は切る
・などなど

もっと知りたい方はコチラから。
(めぐみんのnoteです)


同様の手順で、以前に斜面への登り口につくった階段にも手入れを施しました。

階段の丸太の際に


「今日はこんなにも人数が多いのだから!」と、皆んなで手分けしての人海戦術となりました。

めぐみんは日頃から、たった一人でも地元の山に入って、土中改善の造作をされているそうです。
一人でも、自分の周りのどこででも、スコップを一本使うだけで、地球の環境改善のために出来ることはいくらでもある。だのに、環境かんきょーっ!と簡単に口は動かせても、なかなか手を動かす人が増えていかないのは何故なんだろう、、。日々の生活に勤しんで、ささやかな余裕すら作れなくなってしまってるのかなー、なんて、またも年寄りの苦言を考えてしまいました。

深さ30cmほどの小さな浸透口 × たくさん


崩落した谷の右斜面にも手を入れました。

ビフォー
ミドル
アフター

心地よい景色が広がります。

連携しながら足掛かり造作の様子

次の谷まで進みました。
この谷を越えるため、少し迂回して登ります。

女子力全開!、麗しき乙女らの笑顔満開!!


トラバースして次の谷に到着。

この谷も令和元年東日本台風の時に、上から長く斜面が削られて地形が変わった所です。
その後も、雨の度に、五劫の擦り切れの如く少しづつ、谷底が深くなり続けています。

ここまで進んだ所で、お昼の時間になりました。

ランチタイムは木こりさんと

対岸すぐ上の広場で、この山の木こりさんたちが森仕事をしていたので、昼食は合同でいただきました。

暑さを凌いで、日陰でランチ

生活と人生を懸け、日々の森仕事をしてる木こりさんの話しは生々しくて、ついつい引き込まれてしまいます。

楽しいながらも真剣な会話

それでも、集まった皆んなの想いは同じです。
人が手を入れることで、森を美しく元気にして、未来の世代に繋ぎたい。人のためだけではなく、森のため、そして森に生きるすべての生きものたちのためにも、、、。

お昼休みが、かけがえのない交流のひと時になりました。

お昼を食べながらも、ついつい、、、

午後から再び、沢に入りました。

水の流れが見えて来た!

めぐみんが、谷の周りを観ていて何かを見つけたようです。

沢に降り、ピンポイントで一点を指し示してくれました。

「ここに穴を掘ると良い、と思ったんだけど、もう凹んでる。自然に出来たのかしら?!」

降りてみると、確かに穴が、、、、。
しかし、これは前回のイベントで、女の子が岩をどけるために掘った穴です。二人してビックリ!

女の子の純粋さが、掘るべき場所を気づかせたのか!、将又この水涸れた沢の神さまが、女の子に穴が欲しい場所を啓示したのか、、?!

「ここッ!!」

何故その位置に穴が欲しいのか?
めぐみんから、とても解りやすくて説得力のあるレクチャーをして貰い、谷の中にも一つ、ダブルスコップで深めの穴を掘りました。

穴掘りアフター


地形から、その地下の水の流れを読み解きます。

見えて来た!、ココとココとココっ!

今日の最後に、沢の中にも穴を掘ると良い場所を教えて貰いました。(掘るのは次回のお楽しみ)

一日のふりかえり

作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。

参加された方々の声

♡ C.Yさん(女性)
「前回はホタルが飛ぶのがみえましたが、今回は、めぐみんと出会えて川の流れについての話しを聞けたので、蛇行する水の流れがみえました」

♡ A.Sさん(女性)
「皆んなと話すと解り合える。響いて来るものがある。普段の生活の中では、私はものごとを悲観的に考えてしまう傾向があるが、今日みなさんと共有できた未来を、これから一緒に創っていきたい」

♡ M.Gさん(女性
「最近〝穴〟にハマっていて、色んなとこでやりたいと思ってる。ここの森も地形・地質が違っていて、その変化が面白かった。
3年ぶりに恩方の森に来たが、自然に馴染んでいて、気持ちいい空間になってて、色んな人が来るチャンスがあるといいなぁと思った。遠足の目的地とかで、ちっちゃい子がゴロゴロしたりするといいナー」

主催者ふりかえり

「何もかもが、とても偶然とは思えない程タイムリーな出来事のように感じました。今日の造作は今まで積み重ねて来た様々な造作の最終仕上げにはピッタリのタイミングだったし、季節の流れの中でも最高の時期だったし、今後の作業に向けて今一番必要な学びだったし、、。もしかしたら、この山と川の神さまが、土の中の菌糸のネットワークを使って伝令を飛ばして、この森と森伝いに繋がっている青梅から使徒を遣わしてくれたんじゃないかと、そんなことを考えるのを禁じざるを得ませんでした。
それにしても、同じことを教わっても、人それぞれで受け止め方も学ぶものも違ったりするんだと痛感しました。同じ人でも時期によって違いがあり深まることもあるし、交流することも大切で、価値があるのだと改めて感じました」

 ♪     ♪     ♪     ♪     ♪    

ここ数回、このレポートの最後の写真をクリックするとエンディングにテーマ曲が流れるようにしています。
今回の曲は、青梅在住のシンガー、Maicoさんの『Beautiful World』です。
是非一度聴いてみてください!

今日はホトケノザが満開の時季を迎えてました♪

参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。

ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!

今後の活動予定

◎ 現時点で決まっている今後の予定は、

4/9(土)
4/27(水)
5/4(水)みどりの日
5/26(木)
です。

6月以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。

一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

協力感謝

『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。

公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝2021年度環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

ありがとうございます。


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