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睡眠薬と悪夢についての覚書

医師の処方により睡眠薬を飲んでいるのだが(依存しないよう半錠にしてもらっている)、この薬にはオプションとして向精神効果がある。
メインが催眠でサブ(もしくは副作用)が向精神効果というのもおかしな話だが、本当の話なのである。それに、薬の量が少ないせいか特に向精神効果を感じたことはなかった。普通にぐちぐち暮らしていた。

昨日、睡眠薬を飲み忘れた。すると悪夢を立て続けに見た。それも似たような内容の悪夢を。

睡眠薬を飲み忘れるほど睡眠習慣に問題がなくなったのはいいことだし、入眠も特に困難はなかった。
しかし、悪夢を三度見て、そのたびに目が覚めた。
しかもその三つの悪夢すべてが、私が恐れること、不安に思うことが現実化する悪夢なのである。
全ての夢の内容を覚えている。
三つ目の夢のときは、「ああ、この間見た夢は正夢だったんだ」と静かに絶望したところで目が覚めたぐらいである。夢の中で夢を認識していたらしい。
今日が晴れていてよかった。雨だったらそれはまあ気がめいったことだろう。

睡眠薬なしの状態のとき、なぜ自分が恐れるような悪夢を立て続けに見たのか?

以下に書くことは仮説であり、実証はしていないしする気もない。私が立てた仮説は以下の通りである。

睡眠薬には向精神効果があり、私は実感していなくともその恩恵にあずかっていた。睡眠薬はオプションとして私の恐怖を抑制していた。

よって睡眠薬を飲まないと、抑制されていた恐怖が溢れる。

見る夢が溢れた恐怖と内容と関連したものになる。

睡眠薬を飲んでおらず眠りが浅いため、夢の内容を覚えている。

起床時に、私は「普段の恐怖が実現化する夢を三度も見た」と書く。

それを悟っていなくとも、底に恐怖や不安がある。そして薬効が消え心が自由になったとたんにそれは眼前に現れる。向精神効果がはたらいていようと、それはなかったことにはならない。néantには決してならない。精神の自由というのも考えものだ。これでは自由という名の刑ではないか。

※一回少量の睡眠薬を飲まなかっただけでそんな明確にその影響が出るものなのか?とも思うが、服用し始めてしばらく経過すると慣性がつくらしい。なので今回も一度の飲み忘れでこのようなことが起きたのではないかと思う。

今回書いたことはあくまで仮説であるが、睡眠と精神の双方が連関していたものだから面白かった。しかも筋が通った仮説を立てられたのでなおさら。

「あなたが私にしたように、私もあなたの魂まで引き裂かれる日を指折り数えて待っています その日まで不幸な中で眠ることを願っています」

これは好きなドラマシリーズで出てきた手紙の文面なのだが、やっと意味していることが分かった。不幸な眠りとはこういうことなのだろうか。

教訓:減薬は慎重に。