10年たっても変わらないアートの現場
実は私、今、働きながら大学院に通っています。
通っている学校の学部では所謂「アーツマネジメント」を学ぶのですが大学院はもっと複雑化しています。いやこれがもう、楽しい。
その中で「美術館運営」に関する授業を受けまして。そこで学んだことって、10年・・・までとは言わないけれどもそれくらい前に私が何かの本で読んだ内容と同じで。「あれ、日本、10年たっても同じことで悩んでいるの?」となりました。(その道の人には語弊があったらごめんなさい)
日本の芸術社会に足りないこと
いっぱいありますけれども、あと団体によるんだと思いますけれども。
一言でいうと人材不足。
・ファンドレイジングを遂行する人
・アート広報
・プロボノ
・コミュニティオーガナイザー
・ボランティア、ドーセント、デジタル上でのボランティア
・ボードのマネージャー
等たくさん。
もちろん各団体によってこういう役割の人はいると思います。でも、やっぱり私は足りないんだろうな、と感じます。
なぜか。
人文学系と経済学系の両軸を見渡すことができているか
結構答えは明確なんじゃないかな、と思っています。
芸術が好きな人って、当たり前ですけれども「芸術」がすきなのであんまりお金にこだわっていなかったり、あんまり”資本主義経済社会”の人っぽくないんですよね。(言葉の表現って難しい、ヒィヒィ)
だから「アーツマネジメント」と名を打つ取り組みに対して集まるのは、右脳的で、あと人文学系側に興味を持っている人が圧倒的に多い気がします。
だがしかし。そうなってくると、「マネジメント」の側面は賄えない気がするんですよね。
「アーツマネジメント」の教育を行っている学校の中で、「経営学」や実際の「ビジネス」(それこそファイナンスや経営戦略、MBAで習うようなこと)を同じ比率で教えているところってどれくらいあるのでしょうか。
私は教育学者でもなんでもないただの会社員かつ大学院生なのでこれ以上深い部分は話せませんが、「マネジメント」の部分までやる覚悟を持たせること、実際の経済社会はなんかもういまだに生きづらいけれどもその実態も知って初めて得られる知見もあること、そういうのを「アーツマネジメント」を学び将来的に芸術関係の団体や館を運営支援する人に教えていく必要があるのではないでしょうか。
でないと、いつまでたっても「だから日本は」「欧米に比べると」みたいなディスカッションだけで終わってしまうと思うんですよね。
ついでにいうと、いつまでたっても「芸術はこの世に必要なのである!」の一点張りで終わってしまうと思うんですよね。
実際、芸術領域のマネジメントを行われている著名な方は意外とMBAとMAをダブルでとっていたり、MBAホルダーだったり(別にMBAホルダーだからなんだ、という話ではあるが)バックグラウンドに「マネジメント」の側面を持っているんですよね。
組織論、じゃないけれどもここいらで日本、見直してみませんか?あと、芸術の仕事に就きたい~っていう人も、「経営学」に関心を持ってみるといいと思っています。少なくとも、私はそうなりたい。ちょっと偏見の入った一個人の想いでした。おしまい。
追伸
ちなみに日本の学芸員の質は世界中を見渡してもピカイチらしい。そのへんは誇ってもいいんじゃないかと。