
家事=女性とは思っていないけれど……
〈この文章は1500文字です〉
こんばんは。蛍智宏です。
今日は大学生らしく、授業での気づきをお話します。
私は週に1回、厚生労働省の労働局の方が講師をしてくださる授業を受けています。この授業では、労働法の歩みや現在の労働社会の問題について、講師の方の実体験をもとに学ぶことができます。
今日の授業のテーマは、男女ともに働きやすい雇用環境についてでした。その中で、女性が活躍しにくい4つの「壁」のお話がありました。ちなみに、このお話でいう女性の活躍とは、女性が役職者になるということです。
講師の方が言う4つの「壁」とは、女性の採用率が低いこと、女性の育成を行っていないこと、妊娠・出産により続けられないと判断すること、そして同じ理由で昇進したいと思わないこと、だそうです。
ここで、私がこの授業の前にはどのような認識だったかをお伝えします。私は女性の役員率が低いことは知っていました。が、その理由は何か女性の脳の構造から役職を持つという仕事に興味を持ちにくいからかな~とか思っていました。
でも違いました。
女性が「昇進したいと思わない」理由のトップは、「仕事と家庭の両立が困難になる」からだそうです。
女性が活躍しにくい4つの「壁」の背景には、仕事と家庭が両立しにくいほどの「長時間労働」と、女性は育児や家事をするものだという「性別役割分担意識」があるというお話なのです。
20歳の私からすると、はっきりと「性別役割分担意識」を意識することはないです。たぶん今日、育児=女性だと強く思っている人も少ないでしょう。
でも……、心のどこかで潜在的に思っている人はいますよね。かくいう私も、周りの人に家事ができる人だと思われたいし、恋人には料理を作ってあげていました。改めて振り返ってみると、女性である自分の強みを料理を含む家事だとなんとなく思っているのかもしれません。
この考えって、どこから出てきているのでしょうか。私は、家事ができる女性に対する憧れみたいなものから来ているのかもしれないと思っています。例えば、私が見てきたアニメには魔法が使えたり仲間思いだったりと、魅力的な女の子がたくさん出てきますが、そんな女の子がお菓子作りが上手だったり、その子のお母さんがステキな食卓を揃えていたりします。こういうシチュエーションと、これができる人には憧れてしまうのです。
こういう憧れって、アニメだけじゃなくて、友達のお母さんとかからも影響を受けたりしますよね。なんにせよ、幼少期に形成される気がします。だからなのか、この憧れはなかなか拭えないです。
幼少期に得た憧れを基に、その憧れを追い求め、その憧れを実現できた人はまた憧れられ……というループができている気がします。もちろんこのループは全面的に悪いとは言えず、その人の生きがいや自分らしさにつながることもあります。が、この憧れを抱きやすい雰囲気が潜在的な性別役割分担意識を作っている一因かもなとも思います。
長期的なループによって形成された憧れは、これまた長期的な時間をかけて偏った考え方を変えていかないといけないでしょう。
たぶん、今がその途中だと思うのですが、男性が家事をしている番組をレギュラー放送したり、育児をする男性に注目した特集を組んでみたりしていますよね。こういう取り組みを通して、新しい「憧れ→実現→憧れ」のループの最初を作っているのかなと思ったりしています。
私は、妻という立場でも母という立場でもないのですが、いつかこの立場になるときには、もっと働きやすい雰囲気の世の中になっているといいなと思いました。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。