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廃校再生で生み出された新たな公園「SHIP」で見つけた、「やわやわ」な居場所の心地よさ
春の気配を感じさせる暖かな潮風に誘われて訪れたのは、千葉県の南房総に佇む「SHIBUYA IWAI PARK(通称:SHIP)」。
こちらは、廃校となった渋谷区富山臨海学園を再生し、渋谷と岩井をつなぐ公園をつくるプロジェクトなのだそう。
今回はそんなSHIPで1泊2日のワーケーションに伺ってきました。ワーケーションには私以外にも30人以上の参加者が集まり、なにやら賑やかな様子。
お気に入りのカメラ「Nikon Zf」を相棒に、たくさん写真を撮ってきたので、思い出とともにつらつらと振り返ります。
SHIPに到着!優しい風が包み込む新たな拠点の姿
東京・新宿から高速バスに乗って1時間半、そこから降りて車に乗り換えて15分ほどのところに見えてきたのは、なんだか懐かしい風貌の廃校。ここがSHIPのようです。
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雲のようにやわらかい雰囲気のロゴがキュート。
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門をくぐると、のどかな校庭の先に、カラフルに彩られた校舎の姿が!
「いらっしゃ〜い」と出迎えてくれたのは、クリエイティブディレクターの牧野圭太さんが率いる南房企画株式会社のメンバーのみなさん。
そして、2匹のヤギ(名前はシーとプーというらしい)!
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あまりに自然体で現れたのでちょっと面食らいました。
とても信頼できる。
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南房総には初めて来たのだけど、周りを見渡してみると自然が豊かで美しい。冬の姿が遠のいて、春に身を委ねる草花の表情に、ちょっと胸が高鳴ります。
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良い場所には、良い光がある(と思う)
さっそく校舎へ!仕事をしたりしなかったりしながら、校舎内を探索しつつ、いろいろ写真を撮りました。
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「一番簡単はDIYはペンキを塗ることなんですよ」と教えてくれました。
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こういう不自然な組み合わせに弱い。
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嬉しくて、撫で回しちゃった。
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さまざまな場所で写真を撮っていて思うのは、良い場所には良い光が入ってくるということ。鶏が先か、卵が先かはわからないけれど、そういう場所には人が集まりやすい(気がする)。
SHIPも良い光と良い風が入ってくる場所で、「もう、ず〜っとここにいたいなぁ」と思える居心地の良さがありました。
仕事をしながらもついつい外を眺めたり、胸いっぱいに空気を吸ったり、ファインダーを覗いたり。
よく考えてみると、私は普段在宅で仕事をしているので、家の中にいるときは季節の変化を感じたり、家の外から聞こえてくる音に耳を傾けることなんてないんですよね。
もしかすると、そういう小さな変化に意識を向けることが、新たな出会いや発見に繋がるのかもしれないし、ひいては自分自身に向き合うことに繋がるのかもしれない。
ディナーは「ジビエバーベキュー」と「お刺身」
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日が暮れてきたら、美しい夕日を眺めながらディナーの準備。
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夜ごはんの1つ目のメインは、地元で採れた絶品のお刺身。身が引き締まって、噛めば甘み広がるお刺身の数々にお箸が止まりませんでした。
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そして、2つ目のメインは、地元で暮らす日本バーベキュー協会の方が丹精込めて焼いてくださった「猪肉」!
こちらの猪肉も南房総で捕れたもの。温暖な気候の南房総では、森に常緑マテバシイが広がっており、そこで暮らす猪はどんぐりを主食にしているのだとか。
環境の良さと良質なエサが相まって、脂はジビエ独特のニオイが押さえられていてまろやか、肉は弾力のあるのに柔らかいという最高の味わいでした。
私はジビエが大好きなので、都内でもたまに頂くのですが、やっぱりその土地で捕れたものをその土地で頂くのがジビエの醍醐味だと改めて実感しました。
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コミュ弱ゆえに、普段賑やかな食事会はちょっと苦手なのだけれど、いい意味で「その場に馴染まなくてもいい」雰囲気が漂っているのはSHIPの面白いところ。
賑やかな人は賑やかに、静かな人は静かに。ゆるやかに繋がる場で、それぞれの楽しみ方が尊重されていることが心地の良さに繋がっていました。
まだひんやりと冷たい朝。潮騒に耳を傾ける
2日目の朝は、ちょっと早起きして近くの海岸をお散歩してきました。
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波の少ない穏やかな海が特徴の岩井海岸。朝はほとんど人がいなくて、プライベートビーチ状態。
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波打ち際に近づいていって、優しい潮の香りを感じると、なんだか清々しい気持ち。
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大人になるって嫌ですね。
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お昼ごはんは窯焼きピザでお腹いっぱい
ランチは、校庭のピザ窯でピザ焼き体験をさせてもらうことに。
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たっぷり種類のあるトッピングから好きなものを好きなだけ乗せる、なんとも贅沢なピザ作りの時間です。
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オリジナルクレープやコーヒーも最高でした
おやつには、SHIPにある「赤いCAFE STAND」で、オリジナルのフードやドリンクを楽しめました。
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飲み物は他にもたくさんレパートリーがありました。
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こちらのクレープは、「鋸山BASE」という地元のクレープカフェの方に監修してもらったオリジナルレシピなのだそう。
もちもちの生地に、甘さ控えめでさわやかなクリーム、そしてフルーツやソースが美味しすぎて、何個でも食べられそうでした。(今回のワーケーション、食べてばっかだな)
SHIPに訪れた方はぜひ食べてみてください。
ここは「なりたい姿」より、「ありたい姿」を見つけられる場所
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話は変わりますが、最近私は自分が「どうありたいのか」について考えるようになりました。あり方とは、自分が何者で、何を大切にしていて、本当に欲しいものは何かを自分自身に深く問うことだと思っています。
私がそんなことを考え始めたのは、きっと普通に暮らしていると、「どうなりたいか」ばかりを聞かれることへの一種のアンチテーゼなのかもしれません。
普段、私は東京に暮らす都市生活者で、20代で、フリーランスで、ライターで。自分に貼られたさまざまなラベルを駆使しながら、なんとか新たなステージへ、目指す豊かさを手に入れるために奮闘しています。
そうしていると聞かれるわけです。「君は何を目指しているのか」「何になりたいのか」と。聞かれるたびに、けっこう呆然とします。なぜなら、私は何者かになりたいようでいて、何者にもなりたくないという、知りたくない事実に気がついてしまうから。20代を都市で送るうえで、「目指すものを持ちたくない」という気づきは非常に不都合です。
とはいえ、まだ成長しなければならないから、自分の「なりたさ」に引っ張られながら、走り続けているわけですが、それはあまりにも資本主義的というか、魂(特定のスピリチュアリティを指しているわけではなく、広義の)から目を背けているようでいてなりません。
だからせめて、「なりたさ」という「動の意識」から、「ありたさ」という「静の意識」に少しだけ心を寄せてみるという試みをしているところです。
抽象的なことばかり書いてしまいましたが、要するに「ちょっと立ち止まって、自分の心に耳を傾ける時間」は誰にとっても重要なんじゃないかと思うのです。量と速さを求められる都市生活者にとっては特に。
そんなとき、SHIPは最高の居場所になってくれるのではないかと思いました。個人的に思うSHIPのいいところは、「形がやわやわなところ」な気がしています。役割がはっきりしていないまま開かれているというか、目的ばかりに目を向けなくていいことに気が付かせてくれる場所というか。
やわやわだから、誰もが訪れるし、滞在するし、ときには去っていったりもする。馴染んでもいいし、馴染まなくてもいい。そういう形のなさが、心の柔らかいところにフィットするのだと感じました。
ときにそんな自由は人を不安にさせるかもしれませんが、それは裏を返せば普段目的があることばかりに触れすぎているからなのかもしれない。
目的思考も成長志向も未来志向も良いけれど、たまには波に揺られて、知らない場所にたどり着く楽しみも抱きかかえたいものです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!他にも日本全国いろいろな場所に訪れて、写真を撮ったり文章を書いたりしています。ぜひ他のnoteも覗いてみてください。
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