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【旅の思い出】東京旅⑧深夜のゴールデン街

つづき


レロマネスクのリサイタルが終わり、余韻に浸りつつ新宿へ向かう。

お気づきの方もいらっしゃるだろうが、ディナーショーは13:00からだったのでディナーというかほぼランチである。
朝からカロリーを控えめにしていたし、リサイタルを楽しんでいたので終わる頃にはお腹に余裕が出てきていた。
ていうかすごくお腹すいた。


これを見越して、東京在住の高校時代の同級生に、「地元のラーメン通にここに行け!と言われてる新宿ゴールデン街のラーメン屋さんに行きたいです!!!」と連絡を入れておいた。
当日の朝に。(迷惑)

私は恥ずかしながら1人でラーメン屋さんに行ったことがないことに加えて、方向音痴で夜の歌舞伎町も人生初めてなので、道がわからずずっとオロオロする未来しか見えなかったからである。


神室町の元ネタならチンピラしかおらんし…
(龍が如く脳)

友人はその日お休みで彼女と過ごしていたらしいのだが、私の用事が終わる頃には解散したようで先に新宿に行ってお酒を飲んで待ってくれていた。
しかも駅降りてすぐに迷子になったポンコツをわざわざ迎えに来てくれる紳士ぶり。
神様かもしれない。

彼女ド優先が当たり前だから気にしないでいいわ!!!!と伝えてたものの、来てもらえて少しホッとした。

ワタシここにいるよォ!!と迷子になりながら意気揚々と送ったカラオケ館の画像を見ながら、

「東京ナメすぎ!カラオケ館なんかいっぱいあるから目印なんかなるかい!東京ではまず位置情報!まあ位置情報入れてくれてたからいいけど!」って友人からツンデレに叱られた。

スミマセン…
勉強になります…

ゴールデン街のラーメン屋はこっちだよ〜と連れて行かれた先には、路地裏に並ぶ列。


え、なんでわかったの?ラーメン屋の名前言ってないのに?本当にここなの?路地裏怖!

店舗展開もしてるらしい
左の看板とか深夜食堂のセット感ある


ここでした。大正解。


失礼にもほどがあるぐらい疑いまくってたが、ゴールデン街にラーメン屋さんはここしかないらしい。
なんでカラオケ館はいっぱいあるのにラーメン屋ここだけやねん!とは思った。


路地裏に列ができていて、およそ15人〜20人ほど前に並んでいる。
並ぶのは苦手だけど、ラーメン屋の回転率なら席数にもよるけど30分もあれば順番くるだろうと思っていた。

まさか10席しかないとは。
まさか2時間近くも並ぶとは。


東京ナメてた。
そういえば並んでいたのは海外の方が多かった。

30分並んで2組ぐらいしか進まなかったので、
あっれれー?おっかしいぞー??とは思っていたが、海外の方はラーメンをすすって食べないので、食べ終わるまでにすごく時間がかかるらしい。
そんなの知らなかったよ…


1時間並んだところで列はそんな変わらなかった。
並んでる時間自体は友人と話をしていたので全然気にならなかったのだが、唯一気になるとすれば電車の時間だ。

私「終電…終電までに帰ればいいか…」

友「え、ラーメンだけ食って帰るの?!」

新宿歌舞伎町、ゴールデン街まで来ておいて
お酒も飲まずにラーメンだけを食べてまっすぐ帰るなんて、本当にどうかしている。

しかし私はラーメンを食べねばならぬ。
お腹すいてるし。
ここまで並んだなら回収したい。絶対。
お腹すいてるし。


「はン、こんなくだらねえラーメン、食べなくていいわ!」

前に並んでいたちょっと柄のよろしくない、目を合わさないように頑張るタイプの雰囲気LDHなお兄さんが、友人を連れ立って去っていった。

わー!
イソップ物語の「酸っぱいブドウ」じゃん!!
認知的不協和だー!!
本物だー!!!!
1時間は頑張ったのにねー!!!!

我ながら感動するところが歪んでいる。


でもそんな調子で、前に並んでた2.3組が痺れを切らしてバラバラと帰っていった。


これは終電間に合いそう!!!!!!

心でガッツポーズした。

損切り上手!!
アンタたちの分までアタシ、堪能するからね!!!


「え、酔ってんの?」

列に並んでいる間、今現在どシラフなわたしに向かって、友人は何度もこう聞いた。
通常運転です。


そこからは回転がいきなり早くなって、あっという間に順番がきた。

アンタ達…
去っていった人たちに思いを馳せたが、お腹すいてるので一瞬で忘れ、ルンルンでせまくて急勾配すぎる階段を登る。


注文と同時に友達と缶ビールで乾杯して一気


見た目も優勝です。
これほんとに今まで食べた煮干し系のラーメンの中で1番美味しかった。私の中で。
全部合わせても1.2位ぐらいだと思う。
さっぽろっこの醤油に匹敵する。(?)
右側にあるピロピロしたものがまた美味しい。
これ、なあに????

わたしと友人は日本人なのでズバズバすすって
おそらく10分かからずビールを飲み干し、ラーメンを完食して退店した。
みんなこうあるべき。郷に従え。


ラーメンにとっても満足して、そのあとは友人行きつけの屋台の飲み屋さんへ。
のんべえ達の飲み方は、地方でも東京でもそんなに変わらない。
かわいい店主と隣に座ってたお兄さんと話したりしてゴールデン街らしさを少しだけ堪能した。


2杯ジンジャーハイボールをぐびぐび飲んで、それから急いで終電で帰る。
というか私はラーメン屋のビール一気ですでに酔ってて、友人に時間管理してもらって引っ張ってもらう形で駅に向かった。


「ホーム入ったら山手線に乗るんだよ!緑!!」

最後の最後まで面倒見てもらった。
ほんとすみません。ありがとう。


それにしても、友人は彼女と解散したとはいえ私と合流して大丈夫だったんだろうか?
修羅場になったりしない?と、ラーメンに誘ったくせして不安になってたが

「高校の時の生徒会長と飲むって言ってきた」

と言っていた。

わたしは高校の頃、優秀というわけでもないのに先生と仲良かったという理由だけで生徒会長をさせられていた。
田舎では女の生徒会長は珍しい。

別に隠してるわけではないけど、彼女を不安にさせずかつ嘘もつかず、いい男だね。


前々回の話ではないが、ちゃんと友情が成立する男友達は存在する。
絶対に間違いがないとわかっているというのもあると思うけど、友情を尊重するための気遣いがお互いにできるからこそ気楽に誘うし誘われるのだ。

男とか女とか言う前に、人間として付き合いができてる感じで嬉しい。


日本全国に、男女問わずこういう気軽に飲みに行ける友達がいたら楽しいなァー!と思いながら、ふらふらほろ酔いでホテルに帰った。


つづく

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