Hotaka Matsumura

松村穂高、映画作家、映画研究、撮影照明。大阪の自主映画制作団体・大笑映画の会の総合苦情…

Hotaka Matsumura

松村穂高、映画作家、映画研究、撮影照明。大阪の自主映画制作団体・大笑映画の会の総合苦情係、兼武闘派。

最近の記事

権威依存のパラドックス

個人が自らの因果や利害の決着を公や権威に依存するのは、マクロ経済でいうと需要と供給のバランスか(efficiency)? いや多分違うな。最低賃金か最高賃金に近いものがあるはずである。 例えば気に入らないことがあればすぐに法律とか差別とかハラスメントとか言って自分ではない権威の力によって自らの敵に勝とうとする、近年流行の戦法である。この場合、その敵を始末するのに公の労力や金が必要だ。つまり自分の利害や憂さ晴らしに赤の他人の手と金を使う。 そもそも需給のバランスというのは、

    • 父の面影

      「どうしてミッドランドに来たんだ」 Dr.オハラは聞いた。私は、彼が住むミッドランドを貶めては悪いと真っ先に思った。かくして、こんなところに本当は来たくはなかった、金が足りなかったからここに来たのだ、それがわたしの本音であった。だが、私がこの世で最も尊敬するその老年の物理教授に、私はいつまでも答えあぐねていた。すると彼は、以前ここに来た中国人の女性について話した。同じ質問をしたところ、彼女は「ここに来たのはアクシデントだ」と答えたという。ミッドランドを貶めたかどうかはわから

      • 病院に行って病気になったお話

        昨日は散々だった。病院に行って病気になり、当の目的だった胃カメラはやらずに帰ってくる羽目になったからである。しかも、支払った医療費はその新しい病気に関わる検査代だったというおちである。 まず、11月の下旬ごろから腹の調子が悪かった。ただ、同類の調子の悪さは20代の中後半から時間をおいては繰り返しているものであり、原因は無理な飲み食いによるものであることが多い(それだけではないが)。忘れもしない最初の痛みはドイツのグライナウで冬を過ごした時だった。あの時は保険を使ってドイツの

        • 脳化社会と多様性: トランスって何?

          自身が生まれてから経過した時間も、また自分の身体も、それらによって得られたはずの感覚と経験すらも無関係に、脳で決めた自分の年齢を自由に他人に強制したいというのは、明らかに脳化社会の流れの一つである。 ところで、年相応の見た目、ということを厳密には定義することはできない。なぜなら概念は個々の具体例に適応できないからである。10歳男児の身長と体重を一般化してみると、平均は出ても、その平均を構成する個人は実に様々である。難病で10歳なのに老人のような見た目をしている、ということも

        権威依存のパラドックス

          生まれる前から生まれる子ども

          妻のお腹の子どもは33週目に入った。結構前に女の子だと医者に言われて以来、二人で相談して名前をYに決めた。まだお腹の中にいる娘を呼称する時は既にYちゃんと呼んでいるわけである。まだ生まれていないのだが、もう生まれているというか、既に私たち夫婦にとってYは存在している。もちろん、妻は私よりもはるかにその存在を身体で感じているだろう。私は頭で知っているだけである。 そうすると、生まれていない子どもというのは、いつ親にとって存在するようになるのだろうか。母親にとっては、妊娠すれば

          生まれる前から生まれる子ども

          Between Sensation and Consciousness: Navigating Personal Choice in a Collective Crisis

          In the closed environment of the Japanese language, many of us Japanese are perpetually ignorant about the world's information. Domestic media has become an ideological puppet of the West's major media, derisively called "woke", and people

          Between Sensation and Consciousness: Navigating Personal Choice in a Collective Crisis

          感覚と意識の対立: 集団的危機における個人的選択の方法

          日本語という閉ざされた環境の中で、私たち日本人の多くは世界の情報をいつまでも知らない。国内メディアは、"woke"と揶揄される欧米大手メディアのイデオロギー傀儡と化し、人々は無防備に彼らの独占放送を受信し続けている。インターネットでさえ、ネットのソフトインフラを支配する欧米の "woke "企業によって検閲され、異なる政治的スタンスの情報がフィルタリングされている。そうした偏った情報がインプットされれば、自ずとアウトプットも決まってくる。これは養老孟司の言う「こうすれば、ああ

          感覚と意識の対立: 集団的危機における個人的選択の方法

          人間とAI:進化する科学技術と共存する未来

          人類の科学技術の進化とその影響について考察することで、AIの存在と役割についての理解を深めることができる。数ヶ月前にChatGPTを使い始めて以来、私はこのAIの進化が、これまでの人類の科学技術の発展の一部として位置づけられるという視点を堅持してきた。人類の歴史は、肉体的な作業を手段を変えて進化させる過程であり、その初期段階では道具や家畜、奴隷が、そして現代では機械が主役を演じてきた。 同様に、人間は思考(意識)という観点からも進化を遂げてきた。昔は計算機、つまり電卓がその

          人間とAI:進化する科学技術と共存する未来

          他人の戦争に身を投じることの危険性:ウクライナ問題を巡る思索

          ところで、1年ほど前から一部の日本人が前のめりになっているロシアとウクライナの戦争について、思うことがある。このウクライナのゼレンスキーとかいう大統領。彼は戦争の責任を全うし、その結果として自分の命を捧げる覚悟があるのだろうか。どうもそうは見えない。戦争になるやいなや自国のことを棚に上げては世界中に援助を求めまくり、助けないと分かれば罵倒し敵視する。ロシアの侵攻前にできるかぎりの手は本当に尽くしたのだろうか。この手の虚言癖は今の世に氾濫している。そもそも、ウクライナはロシアに

          他人の戦争に身を投じることの危険性:ウクライナ問題を巡る思索

          大笑映画の会と映画塾|新しい五年目に向けて(後半)

          新年度の方針みなさんこんにちは。前回の令和4年度の反省の記事からから少し日が経ってしまいました。反省記事は約2、3ヶ月のフィードバック期間をかけて人間が書いています(最近GPTに書かせた記事をアップしたので誤解されないように念の為。。)。次はその反省をベースに新年度の方針を表明するものですが、新しい未来は何をどうこうするかの詳細は最低限に止めるべきであり、ある程度の方針を決めればあとは行動あるのみです。各事業体の詳細は次の機会にでもお伝えすることとし、ここでは簡単に映画作家育

          大笑映画の会と映画塾|新しい五年目に向けて(後半)

          『映画作家理論「超」入門』 with GPT-4

          第1章: 序論映画は芸術の中でも特に協力的なものであり、多くの人々が制作に関わっています。しかし、映画の監督はしばしばその作品の中心となる存在とされており、そのビジョンとスタイルが映画に強い影響を与えることがあります。本書『映画作家論「超」入門 by GPT-4』は、映画監督としての作家性を通じて、映画を理解し、評価するためのガイドです。 作家論は、映画監督をその作品の「作者」であると捉え、映画の分析と評価に役立てる理論です。本書では、作家論の歴史や基本的な概念を紹介し、さ

          『映画作家理論「超」入門』 with GPT-4

          ChatGPT(GPT-3.5)に『映画理論「超々」入門』を書かせてみるとこうなる

          序文映画という芸術は、さまざまな人々が制作に携わり、多岐にわたる技術や表現手法が組み合わされて成り立っています。その中で、映画監督が最も重要な役割を担っており、映画作品の評価においても、映画監督の個性やスタイルを重視する作家論が存在します。本書では、作家論をはじめ、映画制作におけるさまざまな視点を解説し、現代映画における作家の存在と表現についても考察しています。映画を愛し、制作に携わるすべての人々にとって、この本が映画の理解を深める手助けになることを願っています。 第一章:

          ChatGPT(GPT-3.5)に『映画理論「超々」入門』を書かせてみるとこうなる

          大笑映画の会と映画塾|新しい五年目に向けて(前半)

          はじめに 大笑映画の会は令和元年4月(正確には平成31年)、三つの基本理念(エンターテイメント性、新しさとクオリティ、ローカル性とオリジナリティ)をもとに非営利の自主映画制作団体として創始しました。一方の大笑映画塾は同年6月、関西拠点の映画作家育成を目的に会内のサブ事業として、これも非営利で創始しています。今は4年目の終わりにあり(4月〜3月)、毎年恒例ではありますが、過去の反省を踏まえて新年度に向けた新方針をここに表明するものです。 尚、今年度は大笑映画の会塾にとってと

          大笑映画の会と映画塾|新しい五年目に向けて(前半)