DMMオンラインサロンプラットフォームの今後の戦略を考えてみる
どうも、ほたか(@hotaka_tajima)です。
以前にDMMオンラインサロンについて分析しようと思い、今のオンラインサロンプラットフォーム事情や、それに伴うDMMオンラインサロンの今後の戦略について自分の考えをまとめてみました。
せっかくなのでnoteで公開しようと思います。ただ、情報が2021年5月時点のものだったりするので、ちょっと古いのはご了承ください。とはいえ、2021年8月現在、そこまで解離はないと思います。
オンラインサロンプラットフォームの現状
1. "専用"プラットフォームと"運営可能"なプラットフォームの比較
まずオンラインサロンプラットフォームは大きく「専用プラットフォーム」と「運営可能なプラットフォーム」の2つに分けられます。
※言い回しは個人で考えたものです。
「専用プラットフォーム」には、DMMオンラインサロンや、CAMPFIRE Communityが属しており、「運営可能なプラットフォーム」にはFacebookやDiscord、Slackなどが属します。
まずは両者を3つの観点で比較します。
1-1. プラットフォームの信頼性での比較
まず1つ目は、プラットフォームの信頼性での比較です。
結論、DMMオンラインサロンのような専用プラットフォームの方が信頼度が高いと言えます。
専用プラットフォームではサロンオーナーが審査に通る必要があったり、決済をプラットフォームが代行してくれたりするため、ユーザー側は安心して利用できます。
その結果、サロンオーナー側はプラットフォームに掲載することで信頼度を高めることが可能です。
1-2. サロン運営に必要になるツール数での比較
2つ目は、サロン運営に必要になるツール数での比較です。専用プラットフォームはほとんど1つのツールでサロンを運営することができます。
一方、運用可能プラットフォームは、3〜4つのツールを組み合わせて運営しなくてはならず、サロンオーナーの利便性は低いです。
1-3. サロン運営にかかる費用での比較
最後は、サロン運営にかかる費用での比較です。運用可能プラットフォームでは主に決済時にしか費用がかからず、3〜4%が相場となっています。
一方、専用プラットフォームは、相対的に費用が高く、10〜20%が相場となっています。
1-4. オンラインサロンプラットフォーム比較まとめ
簡潔にまとめると、DMMオンラインサロンなどの専用プラットフォームは、サロン運営にかかる費用が高いものの、機能面で優れています。
一方、運営可能プラットフォームは、手数料の安さが魅力となっていますが、サポート機能などは一切なく、サロン運営に工数がかかってしまうのがデメリットとしてあげられます。
1-5. オンラインサロンプラットフォームごとのターゲットユーザー比較
運営可能プラットフォームでは主に2つのターゲットが存在すると考えられます。
1つ目が超高影響のサロンオーナーです。キングコング西野さんなどがまさしくこの層だと思うのですが、認知度が高く、集客は個人でできるため、需要としては「いかに低手数料であるか」になります。
2つ目が低影響力のサロンオーナーです。この層はそもそも専用プラットフォームの審査に通らない方がメインとなっています。
また、専用プラットフォームでも主に2つのターゲットが存在します。
1つ目は、高影響力、かつ機能やサポートを重視するサロンオーナーの方です。落合陽一さんやホリエモンさんがまさしくこの層かと思っていて、認知度が高く、集客もできるが、他の事業を行っていたりする関係で、できるだけサロン運営における工数を減らしたいという需要があると考えました。
2つ目が中影響力のサロンオーナーの方です。ビジネス系YouTuberの宋世羅さんなどがこの層かと思っていて、ある程度集客はできますが、プラットフォーム側による追加の集客や運営サポートの需要が高いように思います。
2. オンラインサロン専用プラットフォームの比較
次に、DMMオンラインサロンやCAMPFIRE Communityなどの専用プラットフォーム内の比較をしたいと思います。
大きく、手数料とサポートの充実さの2軸で比較していきます。
2-1. 手数料とサロン数での比較
手数料に関してですが、note、CAMPFIRE Communityは10%と比較的手数料が低いのに対し、DMMオンラインサロンは20%と、最も手数料が高くなっています。
また、手数料が低くなるにつれてサロン数は多くなる傾向にあります。
2-2. フェーズごとの分析
次に、機能・サポート面の充実さで比較します。ここでは、サロン運営を6つのフェーズに分け、その中の5つで比較していきます。
2-2-1. 集客力・外部発信力での比較
まず、プラットフォームの集客力・外部発信力での比較です。DMMオンラインサロンは圧倒的に発信力が強いことがわかります。
noteも強いのですが、記事コンテンツプラットフォームとオンラインサロンプラットフォームでSNSアカウント切り分けていないため、オンラインサロンに限定したときにはもう少し低い数値になるかと思います。
2-2-2. 決済手段での比較
DMMオンラインサロンは決算手段が豊富で、サロン参加者の利便性が最も高いことが伺えます。また、DMMポイント支払いが可能なので、特にDMM会員はオンラインサロンの利用ハードルが低くなっています。
2-2-3. サロン運営サポート機能での比較
次に、サロン運営におけるサポート機能での比較です。
一番のポイントは、DMMオンラインサロンとnoteの2つのプラットフォームが独自のチャットツールを持っている点です。サロンオーナー目線で考えると、ツールを跨いで運用する必要がありませんし、会員管理が容易となるため、利便性が高いと思われます。
また、CAMPFIRE Communityは独自のチャットツールはないものの、オンラインサロンと相性のいいクラウドファンディング機能があり、ここでのサポートは厚くなっています。
2-2-4. サロン開設・運営サポートでの比較
DMMオンサロンサロンが最もサポートが充実しています。
一方、noteやCAMPFIRE CommunityはYoutubeなどのSNSを使い、サロン開設時におけるお役立ち情報など、サロンオーナー向けの情報発信を行っているのが特徴です。
サロンオーナーになる前の段階では、DMMオンラインサロンに比べ、noteやCAMPFIRE Communityに対して丁寧な印象を受ける方は一定するいらっしゃるかと思いました。
2-3-1. 各プラットフォームポジショニング
縦軸がオーナーの影響力を表しており、上に行けば行くほど影響力が高いことを示します。横軸は右に行けば行くほど、手数料の高さよりもサポートへの需要が高く、左にいけばいくほど手数料の低さに対する需要が高いことを示しています。
この表を見ていただけるとわかるように、DMMオンラインサロンは、オーナーの影響力が高く、機能・サポート面の需要が高いサロンオーナー向けのプラットフォームと言えるかと思います。
一方、CAMPFIRE Communityやnoteは、機能・サポートはそこまで充実していないものの、手数料の低さが魅力となっています。CAMPFIRE Communityもnoteも、他のサービスから派生させたサービスであり、独立のサービスとして運営しているDMMオンラインサロンは今後も機能・サポート面で優位性を発揮できると考えます。
2-3-2. 各プラットフォームポジショニング
さらに、各プラットフォームがターゲットとしているサロンオーナーの影響力と、サロン数を図にしました。照らし合わせてみると、各プラットフォームのターゲット層が明確になります。
DMMオンラインサロンの戦略として考えられるもの
僕としては、図でいう「右上への拡大」が望ましいと考えます。高影響力、かつ機能・サポート需要が高いサロンオーナーを主なターゲットとし、それに伴い機能やサポートを強化していくという方向性です。
次に、なぜ右上の拡大なのか、その妥当性をご説明いたします。大きく理由は3つあります。
1つ目は、影響力の高いサロンオーナー獲得による、プラットフォームに対する信頼度向上です。昨今、オンラインサロンの被害に注目が集まっているかと思います。実際に僕の友人20名程度にオンラインサロンのイメージをヒアリングしたのですが、「怪しい」「宗教っぽい」という声や、「オーナーが有名人でなくては入る気がしない」などの声があがりました。よって、さらに影響力の高いサロンオーナーをターゲットにすることで、プラットフォームとしての信頼性向上が見込めると思います。
2つ目は、DMMオンラインサロンの強みである手厚いサポートを、影響力が高いサロンオーナーに集中して行うためです。サロン数を急激に増やすのではなく、サロンの質をあげながら着実に増やしていくことで、強みであるサポートも集中的に行うことができ、強みをさらに押し出せると思います。
3つ目は、新たな事業者が参入したときに、より優位性を発揮するためです。シンプルな機能で、低手数料であるプラットフォームでは、容易に模倣されてしまう可能性が高く、機能・サポート面での強化は妥当かと思われます。
以上が「右上への拡大」の妥当性ですが、それにプラスして市場の拡大にも取り組むのがベストだと思います。DMMオンラインサロンは業界最大手であるため、市場が拡大したときに恩恵を一番受けやすい立場にいます。よって、市場の拡大もプラスで戦略として挙げたいと思います。
影響力が高く、機能・サポート重視のサロンユーザーをブレークダウンしていきます。私の方では、3つのターゲットを設定いたしました。
1つ目のターゲットは、ホリエモンさんに代表される、影響力が高く、かつオンラインサロン以外の事業も行っている事業家や、アイドルなどの影響力は高いがITにそこまで詳しくない方です。これらの層は、高影響力ではあるものの、機能・サポートに対する需要が大きいと思われます。
次に2つ目ですが、新たな領域のインフルエンサーを挙げます。TikTokやYoutubeなどの新たな媒体、NoCodeなどの新たな分野で影響力を持った方です。この層の方は、TikTokやYoutubeのコンテンツ作成や本業があるため、機能・サポートに対する需要が大きくなるかと思います。また、SNS媒体・業界内では知名度があるものの、それ以外で知名度が低いことも多々あり、
プラットフォームに掲載することで、そこからの知名度をあげたいという需要もあると思います。
最後に、企業や行政を挙げています。企業でいえば、マーケティング活動に活用したいが、オンラインサロン運営の知見がないなどの理由から、サポート需要が生まれる可能性が高いです。また、行政でいえば、できるだけ炎上や決算時のリスクを避けたいという需要があるため、より機能・サポートが充実したDMMオンラインサロンと親和性は高いと思われます。
戦略に沿った戦術
① 集客力・外部発信力の強化
まず1つ目は、集客力・外部発信力の強化です。DMMオンラインサロンは既に取り組んでいるSNSでは、競合と比較して強い発信力を持っています。そのため、新たな媒体での発信力強化も検討してもいいと思いました。
また、私の大学の友人20名に「オンラインサロンをどこで認知したか」ヒアリングしたところ、「インスタグラムのストーリー」「ABEMA」「テレビニュース」の順になりました。ヒアリングの結果と、ユーザー数の伸びと親和性の観点から、TikTokやInstagramのようなショートビデオを載せられるプラットフォームが適しているかと思います。
さらに、サロンオーナーに対するSNS発信コンサルティングの強化も追加で行えるとベストでしょう。
次に2つ目としてオウンドメディアの強化があります。オウンドメディアであるカナリーでSEO記事を増やすことで集客力を上げつつ、オンラインサロンへの誘導を強化すべきだと考えます。また、現在TOPページは新着記事になっていますが、サロン紹介記事を増やすことでオンラインサロンページへの誘導率向上が見込めるかと思います。
最後に、雑誌出版の検討です。書籍の出版はしているものの、例えば美容系サロンの内容などはむしろ雑誌の方が向いていることもあるかと思います。また、雑誌は定期的なものなので、サロン参加者にとって記念品としての価値を発揮することも考えられ、退会率の減少にもつながることが期待できます。
② サイトのUI/UX強化
次に、サービスサイトのUI/UX強化です。DMMオンラインサロンでは、最下層のセクションである「#〇〇を見た方におすすめのオンラインサロン 」をパーソナライズ化しています。そこをNetflixのように、さらなるパーソナライズ化ができるといいんじゃないかなと思います。
具体的には、セクション数を増やすこと、そして増やしたセクションの中でさらにパーソナライズ化したレコメンドをすることの2点が重要かと思われます。そうすることで、ページランディングにおける入会率が高まることが想定されます。
また、解約ページで関連性の高いサロンをレコメンドすることで退会率低下も期待できます。
さらに、レコメンドに加え、プランの複数化を推進すべきだと私は考えます。
noteやCAMPFIRE Communityに比べ、DMMオンラインサロンでは月額課金のプランを複数化させていないサロンが多いのが現状です。月額課金プランを複数化させることによって、本来であれば退会していたであろうサロン参加者をプランを下げることで退会を防いだり、よりロイヤリティが高いサロン参加者のアップセルも期待できます。
③ DMM オンラインサロン専用コミュニティアプリの強化
3つ目として、独自のコミュニティアプリの強化があります。
現在DMMオンラインサロンではiOSとWebアプリの2つを既に開発されているかと思います。アンドロイドユーザーは日本でも40%近くいるため、アンドロイドアプリも開発することでプラットフォームとしての利便性向上が見込めます。
また、ストーリー機能の追加も検討できると思います。サロンオーナーだけでなく、サロン参加者も自由にアップロードできることで両者がさらにインタラクティブに関わり合うことができ、退会率低下が期待できます。ちなみに、インスタグラムストーリーズは、2018年に既に日本国内だけで1日に700万投稿されるというデータもあり、日常生活に溶け込んでいると言えます。
④ サロン開設・運営のサポート
4つ目として、サロン開設やサロン運営時のサポートの充実化があります。
例えば、サロン運営時のサポート機能として、サクラ派遣サービスなどが考えられます。ただ、法律的にどうなのかという問題があり、ここはさらなる議論が必要でしょう。
ただ、効果としては結構大きいと思っており、私はインターン先でウェビナーを何度も企画運営したことがありますが、サクラありとなしではウェビナーの盛り上げり、その後の結果に大きな差がありました。具体的には、イベント予約者分の有料顧客率を計算した時に、6%も開きがありました。
・サクラなし:12%(有料顧客15人 / イベント予約者122人)
・サクラあり:18%(有料顧客4人 / イベント予約者22人)
サロン運営においても、コミュニティが盛り上げらないことは1つの課題だと思います。そこで、コミュニティ内を活性化させるためのサクラの派遣を事業を行うことで、オンラインサロンコミュニティの活性がはかれます。
⑤ 高影響力×サポート重視サロンオーナーの新規開拓
5つ目として、高影響力、かつ機能・サポート重視のサロンオーナーの新規獲得があります。ターゲットとその需要に関しては、戦略の部分でお話しした通りです。ここでは、HOWについてです。主に、プロモーションと営業活動の2つを行っていきます。
事業家や芸能人などの層に対しては、主にサロンオーナーからのつながりで集客するなどの方法があると思います。パッと思いついた理由は3つくらいです。
1. 広告でアプローチするより人を介した方が成約率が高そう
2. サロン開設は信用に関わるものなので慎重になると予想
3. 芸能業界で影響力のある方を狙ってそこから周囲に派生させられる
新たなインフルエンサーには、SNSからのDMや、ターゲットと同じカテゴリーのインフルエンサーとのタイアップ広告によるアプローチとかがいいかなとパッと思いました。
企業や行政には、決裁者に効率よくアプローチできること、市場の伸びの2点より、タクシー広告とかがいいかなと思います。
⑥ オンラインサロン市場の拡大
6つ目として、オンラインサロン市場を拡大させる施策をあげます。
まずテレビCMです。テレビCMは、Web広告と比べ、圧倒的にリーチ数が大きいですし、認知拡大には適したプロモーション方法かと思います。
【Web広告】
1クリック100円として1000万人に届けるために10億円
【テレビCM】
約2800万円で約2202万人リーチ
約1400万円で約1000万人リーチ
また、サロンオーナーやサロン参加者によるSNS発信によっても、認知は拡大するため、そこに対するコンサルティングが重要かと思われます。
以上が考えられるDMMオンラインサロンの戦術になります。細かいところは雑ですがご了承ください。
まとめ
以上が、オンラインサロンの簡単な市場分析と、そこから導き出した業界No.1のDMMオンラインサロンが取ってもいいなと思った戦略・戦術です。
長くなるので割愛しますが、さらに「会員の退会率が10%で、3年後に年間売上15億円から年間30億円に倍増させる成長戦略」も一応考えたので貼っておきます。
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では。
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