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女子力とか男子力ではなく、そもそも生きる力です。
「女のくせに」「男のくせに」という言葉に、私は子供の頃から長年違和感を感じてきました。昨今は「ジェンダーハラスメント」という言葉も生まれ、表立ってそのような発言をする人は減ったように思いますが、特に地方や地域社会では、心の奥底にそのような考えを持っている人がまだまだ多いのではないでしょうか。
私が子供の頃、兄のゲームで遊んだり、野球の応援をしていると、「女らしくない」と言われたり、逆に兄が私の漫画を読んだり、料理を手伝ったりすると「男のくせに」と否定的な意見を投げかける人がいました。そのような経験から、私は「性別」というものが、人の可能性を狭めてしまうことに強い憤りを感じてきました。
今の時代、性別にとらわれず、自分のやりたいことを自由に選択できる社会が理想だと考えます。しかし、一方で「男だから料理はしない」「女だから外で働くのは嫌だ」といった固定観念にとらわれている人もまだまだ少なくありません。もし、いまだにそのような人がいたら、周囲の人々からどのような反応を示されるでしょうか。
私は、性別にかかわらず、一人ひとりが「人」として尊重されるべきだと考えています。もちろん、生まれつきの体質や才能には個人差がありますが、ある程度のことは誰しも努力次第でできるはずです。むしろ、性別にとらわれず、様々なことに挑戦し、自分の可能性を広げていくことが大切だと考えています。
よく「女子力」や「男子力」という言葉が使われますが、私は、これらを性別にとらわれず、一人ひとりが身につけるべき「生きる力」だと捉えています。家事や育児、仕事など、生きていく上で必要なスキルを、性別関係なく習得することは、将来、必ず役に立つはずです。
今は、家族に頼ることができているかもしれません。しかし、いつまでもそうであるとは限りません。将来、一人で生きていくためには、自立した生活を送るためのスキルを身につけておく必要があります。そうすることで、どんな状況に直面しても、自分自身で乗り越えていくことができるはずです。
「性別」という枠にとらわれず、一人ひとりが自分の可能性を最大限に引き出すことができる社会の実現を目指したいと心から願っています。