タレントがCMに出るのを歓迎できない例もあり得ます。
また中山美穂さんの話になりますが、中山美穂さんのCM出演について、改めてその多岐にわたる活躍ぶりに感心させられます。
中山美穂さんは、ファッションからゲーム、さらには薬や食品まで、実に多くのCMに出演されています。どれが代表作かと言われると、どれも印象に残っていて特定するのが難しいほどです。それだけ多くの人々に好感を持たれ、支持されていた証と言えるでしょう。
しかし、CM出演は必ずしも全てが好ましいものばかりとは限りません。私自身も、「推し」が特定の商品やサービスのCMに出演するのを複雑に感じることはあります。社会的に物議を醸した企業のCMなどです。
1988年の竹下内閣によって強行された消費税導入の際に国税庁のポスターに起用されたのは、ホリプロの当時売り出し中のアイドルだった伊藤美紀さんでした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E7%BE%8E%E7%B4%80_(%E5%A5%B3%E5%84%AA)
消費税は、導入から30年以上経った現在もなお、政治の大きな争点となっています。伊藤美紀さん自身に悪い影響がなかったのか、と引退された今でもつい心配になってしまいます。
国や自治体のポスターに起用されることは、公益に貢献するという意味で歓迎されるべき側面もあるでしょう。しかし、防災や防犯、投票を呼びかけるポスターならまだしも、政争の問題になっているもののポスターに起用されるのは、少し違和感を感じます。
同様に、中小企業への影響が懸念されるインボイス制度の広報にも、タレントは起用されていませんでした。イメージダウンを恐れたのかもしれません。
このように、タレントのCM出演は、企業や団体にとって大きなメリットがある一方で、タレント本人や、時には社会全体に思わぬ影響を与える可能性も秘めていると言えるでしょう。
CMを見るたびに、私たちはただ楽しんでいるだけでなく、その背景にある様々な要素に思いを馳せる必要があるのかもしれません。