【予備校破産】不確実な公的救済よりも共助の精神で
大学入学共通テストを目前に控えたこの大切な時期に、新宿にある予備校がまさかの破産という事態に見舞われたとのこと、本当に驚きを禁じ得ません。受験生の方々、そしてそのご家族の皆様のお気持ちを察しますと、胸が締め付けられる思いです。
破産手続きが進むとなると、残念ながら僅かな財産が多くの債権者に平等に分配されることになり、生徒の皆様が支払われた学費がほとんど戻ってこないという厳しい現実が待っています。これは、学費を支払った生徒の皆様にとっては、お金を失うだけでなく、将来への不安という大きな痛手となるでしょう。
本来であれば、何らかの救済措置が望まれるところですが、予備校側に十分な資金がない以上、それも難しい状況です。このような状況下で、何でもかんでも国や東京都などの公的機関に救済を求めるのは、現実的に考えて難しい面があります。東京都をはじめとする自治体は、予め予算が定められており、このような突発的な事態に対応するための予算をすぐに捻出することは容易ではありません。イレギュラーな事態に対して、迅速に予算を配分するための明確な理由を見つけるのは、行政の仕組み上、時間がかかることも理解できます。
このような状況において、改めて重要となるのは、共助、つまり人々が互いに助け合う精神ではないでしょうか。幸いなことに、今回の事態を受けて、他の予備校や出版社などが、生徒や講師の方々に対して自習室などの施設を提供したり、教材などの資産を活用したりするなど、救済の手を差し伸べているという情報に接し、心温まる思いがいたしました。やはり、このような時には、何でもかんでも公的な救済に頼るのではなく、まずは身近な人々が互いに助け合うことが大切ではないでしょうか。
経済状況が常に順風満帆とは限らない現代において、このような困難な状況に直面した際に、周囲の人々がすぐに手を差し伸べられる関係を築いておくことは非常に重要です。もちろん、納税者として国や公的機関に支援を求める権利はありますが、このような緊急時には、まずは身近な人々が助け合いの精神で、できる範囲で支え合うことが、より迅速で効果的な救済につながるのではないでしょうか。そして、このような助け合いの精神は、社会全体のイメージアップにも繋がり、より温かい社会を築く上で重要な要素となるでしょう。今回の件が、共助の精神の大切さを改めて認識する機会となることを願ってやみません。