本当の歴史の残酷を伝えるには ある程度衝撃な描写は避けて通れません
昨日の大河ドラマ「べらぼう」の第一回を拝見し、冒頭から衝撃的な描写があったことに心を揺さぶられました。吉原を舞台にした物語ですが、役目を終えた遊女たちが、飢えに苦しみ、最期には無惨にも扱われるという、あまりにも残酷な現実が描かれていたからです。特に、全裸の状態で寺に捨てられるというシーンは、当時の社会の厳しさを如実に表しており、視聴者の中で大きな議論を呼んでいるようです。
様々な意見があると思いますが、私はこのドラマの演出は正しかったと考えています。確かに、裸の描写は目を覆いたくなるような残酷さがありますが、もしこのような描写がなければ、当時の吉原における遊女たちの悲惨な生活実態を、私たちは何一つ知ることができなかったのではないでしょうか。
昔の映画では、風俗を乱したり、危険思想に繋がると考えられる内容や、時代劇においては戦争の場面でさえも血を見せることが厳しく制限されていたそうです。そのような状況下では、戦争の残酷さを本当に理解することは不可能だったのではないでしょうか。過去の戦争において、国民が徴兵され、日本中が空襲に遭うまで、戦争の惨禍を身近に感じることなく、戦争を支持してしまったのは、このような不当な検閲が原因の一つと言えるかもしれません。
女性の裸の描写が過激だ、残酷だといった批判があることは理解できます。しかし、それだけでその描写自体を否定してしまうことは、都合の悪い現実から目を背けることになりかねません。私は、歴史の真実をありのままに伝えることの重要性を強く感じています。
今回のドラマのように、過去の出来事を題材にした作品は、単なる娯楽作品にとどまらず、私たちに歴史を深く考えさせ、教訓を与えてくれる貴重な機会となります。もちろん、視聴者の中には、このような描写に不快感を抱く方もいらっしゃるでしょう。しかし、様々な意見を尊重しつつ、歴史の真実を伝えることの大切さを忘れることなく、今後もこのような作品が生み出されることを願っています。