テレビが見たいと思ったらオワコンになってた皮肉
私の生まれ育った地方では、テレビ東京系列の番組を見る機会がほとんどありませんでした。ヤンヤン歌うスタジオのような人気番組も、他のテレビ局で土曜の夕方など、イレギュラーな時間に放送されていたのです。しかし、これはまだマシな方でした。友人が住んでいた秋田県では、TBS系列の放送局がないため、『8時だよ!全員集合』や『ザ・ベストテン』といった誰もが知っている国民的な番組を見ることすらできず、とても残念な思いをしたと聞いています。
現在では、宮崎県のように民放テレビ局が2局しかない地域もあり、視聴できる番組が非常に限られているという問題が全国的に注目されています。隣県の放送局をケーブルテレビで再配信するという例外的なケースもありますが、地方のテレビ局の経営に深く関わるため、簡単に実現できるものではありません。
こうした状況の中、NHKを含む全てのテレビ局が、人気番組を有料で配信するサービスを開始しました。私の家では家族みんなでテレビを見るため、複数の配信サービスに加入していますが、好きな時間に好きな番組を見られるのでとても便利です。このように、テレビ局は全ての地域に網羅的に放送網を敷くのではなく、別の方法で全国の人々にテレビ番組を楽しんでもらうという目的を達成しつつあります。
しかし一方で、特に若い世代を中心にテレビ離れが進み、ネット動画に人気が集中しています。テレビを家に置いていないという若者も少なくありません。かつて、誰もがテレビ番組を見たいと願っていたにも関わらず、それが実現する頃にはテレビが時代遅れなものになってしまったというのは、なんとも皮肉な話です。
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