一見分かりにくい不適切なものほど、悪質です
中山美穂さんの突然の訃報から、しばらく時が経ちました。いまだに、関係者の方々の深い悲しみや、事故の衝撃が私の心から離れません。あれほど輝いていた方が、私たちの傍からいなくなってしまったという事実に、改めて大きな喪失感を感じています。
さて、中山美穂さんといえば、ドラマ「毎度おさわがせします」が代表作として挙げられることが多いでしょう。当時中学生だった彼女は、そのドラマで大胆な演技を見せ、大きな話題となりました。今となっては考えられないような過激な内容で、視聴者だけでなく、社会全体を揺るがすほどの衝撃を与えたものです。若くして体当たりで役と向き合った彼女の姿は、私にも強い印象を残しています。
しかし、あの頃のエンターテイメントは、今の時代から見ると、あまりにも過激で、時に残酷な側面があったように思います。まさに流行語対象にもなったふてほど=不適切にもほどがある、の世界です。特に、未成年の少女に過度な露出を求めるような風潮は、現代の価値観からすれば、到底許されるものではなく、あのドラマは現在では放送されることは絶対にあり得ません。
近年、エンターテイメント業界では、過激な表現や暴力的なシーンなどが規制される傾向にあります。これは、社会全体の意識が変化し、より穏やかで健全なエンターテイメントを求めるようになったことを示していると言えるでしょう。しかし、目に見える形の不適切な行為だけでなく、より巧妙で、分かりにくい形の不適切な行為も存在していることに、私たちは目を向ける必要があります。
例えば、中山美穂さんの妹である中山忍さんの最近の報道を見て、私は強い違和感を感じました。ご自身の姉を亡くされたばかりの悲しみの中、マスコミの取材に必死に応えている中山忍さんの姿は、あまりにも痛々しいものでした。なぜ、このような状況で、まだ悲しみに打ちひしがれている人に、カメラを向けなければならないのでしょうか。多くの視聴者が、この報道に怒りを感じていることでしょう。マスコミは、人の心を傷つけるような報道を自制し、社会の一員として、より責任ある行動を取るべきだと思います。
コンプライアンスという言葉が、私たちの日常に深く浸透するようになった現代においても、パワハラやセクハラなど、さまざまな形で不適切な行為が横行しています。これらの行為は、企業の内部だけでなく、社会全体に大きな悪影響を及ぼします。私たちは、目に見える形の不適切な行為だけでなく、より巧妙で、分かりにくい形の不適切な行為にも目を光らせ、それらを根絶するために、一人ひとりが意識を高めていく必要があるのではないでしょうか。