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音楽もナンバーワンよりオンリーワン、レコード大賞はもはや時代遅れか。

12月30日は日本レコード大賞の日ですが、昔のように、日本中が注目するような一大イベントではなくなってしまったように感じます。
そもそも、音楽の聴き方が多様化した現代において、ダウンロード、CDですらない「レコード」大賞という存在自体が、少し疑問に思えてしまいます。それはさておき、マスコミがこぞって取り上げるレコード大賞ですが、音楽関係者がどんなに議論を重ね、真剣に審査したとしても、音楽に対する好みは人それぞれです。「ナンバーワンよりオンリーワン」という言葉があるように、音楽の評価は主観的なものであり、誰かに決められるものではないでしょう。たとえインディーズのアーティストで、動画配信サイトでしか活動していない方であっても、ご自身が「最高」と思っていらっしゃる楽曲は、その方にとって紛れもなく「最高」なのです。偉い人に決められたからといって、それが必ずしも正しい評価だとは限りません。
昔は、レコード大賞以外にも、TBS以外が主催する日本歌謡大賞など、さまざまな音楽賞が存在し、各テレビ局がそれぞれ独自の音楽番組を持っていました。しかし、時代の流れとともに、これらの音楽番組は姿を消してしまいました。80年代後半頃から、一部アーティストが賞レースをボイコットするなど、音楽業界を取り巻く状況は大きく変化しました。その結果、音楽賞の権威は失墜し、多くは現在の賞を与えないショー形式放送へと変貌を遂げたのです。
私は、レコード大賞よりも、ボカロなどのネットカルチャーで生まれた音楽に興味があり、YouTubeなどで流行りの曲を聴くのが好きです。そのため、レコード大賞の行方については、どちらかというと他人事のように感じています。
もう一つ、時代の変化に上手く対応できていないように感じるのが、NHK紅白歌合戦です。ジェンダーレスな表現をめぐる最近の議論のさなか、わざわざ性差を強調する紅白歌合戦のあり方についても、さまざまな意見が飛び交っています。一体、紅白歌合戦はどの世代の人々に向けて作られているのか、出演者がどのように選ばれているのか、私にはよく分かりません。私自身は、レコード大賞や紅白歌合戦のような伝統的な音楽番組が、形だけでもこれからも続いてほしいと願っていますが、果たしてそれがいつまで続くのか、少し不安に思います。

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