発酵ソムリエの鹿児島訪問記
【発酵ソムリエ】石蔵ミュージアムで焼酎について考えるひとときを!
鹿児島は芋焼酎のまち・・・歴史ある蔵訪問
先日、鹿児島で歴史と伝統を感じる旅をしてきました。訪れたのは、明治2年創業の川田醸造店(現在の白金酒造)。
明治10年の西南戦争の際には、西郷隆盛率いる薩摩軍が陣を張り、戦場での「栄養ドリンク剤」や「消毒液」として、蔵にあった焼酎がすべて買い占められたと伝えられています。
その時、お金として西郷さん発行のお金の代わりになる書面を残したそうです。今でいうビットコインならぬ西郷コインのようなものでしょうか?
しかし、明治政府に反抗したわけですから正規のお金とは交換なりませんでした。
このような物語を聞くと、少年時代の豊臣秀吉が樽の中で遊んでいたという岡崎の味噌蔵での逸話も思い出され、歴史の中でお酒が人々の生活と共にあったことが伝わってきます。
白金酒造の焼酎造りは、鹿児島ならではの風土を生かしたもの。桜島の火山活動がもたらすシラス台地は火山灰が豊富で、サツマイモの栽培に適しています。
また、黒麴は泡盛とともに琉球からきたものです。サツマイモもやはり中国や南アジアをへてきています。
こうした地の利が芋焼酎文化を支え、鹿児島を代表するお酒へと発展させたのです。
ここでの焼酎は、三種類の黒麹を使って仕込まれます。麹室(こうじむろ)で茶色の黒麹の粉を一直線にまき、
蒸した米と豪快に混ぜ合わせる様子が、他の地域で見られるさらさらとした深緑色の麹とは異なり、非常に迫力がありました。
また、蒸留器も見事で、地元の杉材と鹿児島で初めて植えられた孟宗竹で作られたタガが使われているのが特徴です。ここにも鹿児島らしい工夫が凝らされています。
焼酎の製造過程も興味深く、もろみにして6日間の第一次発酵を行った後、
芽と皮を取り除き蒸したサツマイモを加えて8日間の第二次発酵に進みます。
https://www.shirakane.jp/ishigura-m/
こうして丁寧に発酵されたもろみは、その後3年から6年の間タンクで貯蔵され、熟成を重ねていきます。
残念ながらタンクの見学はできませんでしたが、
桜島を借景にした立地は雄大で、海水浴場でもできます。開放感あふれる場所でした。
歴史と自然が融合した鹿児島の焼酎文化。皆さんも訪れる機会があれば、ぜひその味わいと共に感じてみてください。
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