復讐の血薔薇は彩を消す

熱い、熱い景色の中、私の意識は確かに無くなったはずだった。


意識がなくなるその瞬間、私の頭の中を支配していたのは、強い、強い憎悪だった。


それまでの私が感じていた感情を、すべて黒く塗り潰す程の強い、強い憎悪。ただ、一つだけ、塗り潰されてない感情はあるけど、その感情の名前はわからない。


あぁ、もしまた、あの人に出会えるのなら。


この感情を、そのままぶつけてやるのに・・・


そう気づいた時には、私は。


血のように赤い薔薇の中で、眠っていた。


◇ ◇ ◇


血も通わぬその体で、少女は何を思うのか。


炎に包まれた思い出は、彼女にとってどう写るのか。


その薔薇は、なにゆえ血で染まるのか。


彩の魔法使いは、なぜ復讐に走るのか。


愛憎渦巻く復讐劇が、いま幕を開けようとしていた。


これは、彩の魔法使いの一つの一つの可能性・・・


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