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父の死に目

死に目に遭えないのは親不孝、とは思わない。
今となっては私は遭えなくて良かったと思っている。
なぜなら、父が苦しむ姿を見たくなかったからだ。

父が危ないと聞いた私は、急いで実家に向かっていたのだけど、遠くに住んでいた私は向かう途中1泊したのだった。

その夜、父のことを想いつつ、なんとか生きててね…と心の中で呟いていたら、不思議な感覚が私を襲った。

その直後、妹から父が亡くなったと連絡がきた。
不思議な感覚は、うまく説明できないのだが、父が側に来たのかなぁ、と思っている。

入院してすぐ、肺癌ステージ4と診断された父なのに、抗がん剤治療を病院から提案されたのだと言う。

は??

抗がん剤がどんなものか、今は調べてある程度知ってはいるが、当時はうっすらとしかわからず、できれば拒否してほしい、と妹に伝えた。
私は遠く離れていた為、妹が看病していた。

結果、父が自ら抗がん剤治療を望んだのだという。抗えなかった。

結果、あっという間に旅立ってしまったのだが、今思えば父は

「わりいなぁ〜迷惑かけて。病院代、お前たち(私達兄弟)大変だろうから、さっさと逝くからな〜」
って言ってるとしか思えなかった。

死んだら父に逢えるのを楽しみにしている。

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