空想生物紹介その2
【名前】
未定
【生態】
温暖な気候を好む小さな生き物。
背中側は黄緑色で腹側は白く、尾の先には黒い毛束がある。
頭の黒く長い耳羽と翼の透き通る羽が大きな特徴。
羽を素早く羽ばたかせてその場に静止するように飛ぶホバリング飛行を得意としており、様々な花の間を飛び回って蜜を吸う。
高速で羽ばたくために胸筋がとても発達しているが、代わりに足の筋肉が退化しており足で歩行することはほとんどできない。
ただし足で握ったり留まったりすることは可能なため、花の蜜を吸うときに長い脚で体重を支えたり、草木に留まって休憩する様子も見られる。
くちばしは非常に小さいが、花の蜜を吸うのに適した細く長い舌を持つ。
幼体のみに見られる特徴として、尾の先の黒い毛束が中央のみ長く伸びており、また翼には薄茶色の羽が生えている。
幼体から成体への移行期に、巣の外で翼を震わせて羽ばたく練習を何度も行う。そのうちに薄茶色の羽が抜け落ち、立派に独り立ちできるようになるころにはすっかり透明の美しい羽に生え変わる。
【余談】
なんでこの生き物を描いたの?
オオスカシバ可愛いから!!!!!!!!!!!!!!!!!です。
オオスカシバって蛾の中だと絵に描くモチーフとしてはカイコの次ぐらいに人気な気がしてて(本当か?)結構いろんな人が描いてる印象がありますが、私も例にもれず描きました。
蛾や蝶って羽の模様の方が印象に残りがちだけど、オオスカシバって羽はもちろんボディもむちむちでふわふわでカラフルで触覚も可愛くて全身に魅力が詰まってますよね。
皆さんは本物のオオスカシバはどれくらい見たことがありますか?
私は子供のころに3回ほど、それ以降はオオスカシバ!?と思ったら大概ホシホウジャクだったりして全然会えていません。
この絵を描くためにフリー写真素材サイトでオオスカシバを検索したときも、体感10%くらいの確率でホシホウジャクが混ざっててこっちはどんだけ会うねんと思ってます。ホシホウジャクはホシホウジャクでオレンジ色の羽の模様と頭の黒い一本筋がすごく可愛いんですけどね。
私の中ではそんなレアキャラであるオオスカシバですが、初めて見たときはその存在を知らず、よそのお家の庭をでおなじみのホバリング飛行で飛び回っているのを偶然見かけて「ハチドリ!?!?!?日本に!?!?!?」とパニックになった記憶があります。
結構でかいしぱっと見何の生き物だかわからん姿をしてますよね。
その記憶が強いのでこの生き物はわかりやすくハチドリベースにオオスカシバの特徴を乗せています。
くちばしの短さとか足の長さはハチドリらしからぬところですが、オオスカシバのシルエットを優先させたためこの姿になりました。
花の蜜を吸うときに前足を伸ばすのもオオスカシバの特徴です。(ホシホウジャクはやらないみたい)
自分好みのバランスになったと思います。
...と言いつつこいつも前回のマダガスカルオナガヤママユと同様に一度リデザインを入れており、最初の案ではここにキツネが混ざっててだいぶ違う姿をしていました。
確か「長くすらっとした足」「太いしっぽ」「腹と足が白くつま先は黒い」とかの特徴を意識してのことだったと思います。
こっちだとぱっと見でどんな生物か想像しづらかったのですが、描き直したバージョンはだいぶ情報がすっきりして直感的に生態を想像できるようにできたんじゃないかなと思います。
今思ったけど亜種としてホシホウジャク描いてもいいね。
幼体→成体で翼の羽が生え変わる設定について
これはオオスカシバの生態をもとにした設定です。
オオスカシバって羽化したての時は羽が透けていなくて白っぽい鱗粉がついているんですけど、この鱗粉は落ちやすくなっていて、羽を震わせてすぐに全て落としてしまうそうです。
この様子を動画で見たことがあるんですけど、空中に白い鱗粉がキラキラ舞ってすごく綺麗だと思ったんですよ。
これをずっと絵に描きたいと思ってて、もうだいぶ前から構想練ってて
「はばたきってタイトルで、春の季節に新しい環境へ飛び込む人々を応援するような絵を、桜の花が散るようなイメージと鱗粉が舞う様子を融合させて...」
まで考えたところで、そういう広い層をターゲットにするような絵で
・オオスカシバという生き物を知っている人がどれくらいいるのか
・オオスカシバを知っている人の中でもさらにこの羽化直後に鱗粉を落とす生態を知っている人がどれくらいいるのか
・オオスカシバを知らない状態の人にその絵を描いて見せたとしてメッセージが直感的に伝わるのか
・そもそもその様子を魅力的だと思ってくれるのか?
という壁にぶち当たりボツになってました。
モチーフ選びって本当に難しいのですね。
この空想生物で要素回収できて良かったです。
目の周りの模様について
絵だとちょっと伝わりづらいのですが、目の周りの白目に見える部分と黒いふちに見える部分は模様です。目だけ見るとわりとつぶらな瞳をしています。
メジロみたいなのを想像していただければと思います。
オオスカシバの目って複眼なんだけど独特なまだら模様が入ってて、瞳があるようにも見えて(偽瞳孔かな?)それが何だか表情豊かで可愛いんですよね。
それを反映してこうなりました。
ハチドリの羽について
ハチドリの羽ってすごいキラッキラなイメージありませんか?
調べてみて知ったのですが、あれは羽自体にキンキラの色が付いているのではなく構造色だそうです。
羽に細かい鱗のような凹凸があって、それに光が反射することで角度によって様々に色を変えるらしい。
この絵だと翼の羽は単にビニールみたいな半透明のイメージで描いてしまっているのですが、角度によって虹色に反射する感じの質感にしても面白かったかもしれないですね。
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