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義母が夢みるコーヒーゼリー。

今年の冬は例年以上に水分を摂っているな、と改めて実感する。
飲料水。そして ほうじ茶、お茶、紅茶、コーヒー。
乾燥のせいもあるが、やはり例年以上に 寒くてつい暖かい飲み物に手が伸びる。

一方、ある時から 日々 水分を含めてさまざまな物の摂取量を制限されているのが、我が夫の母である 義母だ。

義母は 御年90歳。
義兄夫妻と、私たちとは離れて
慣れ親しんだ西の地域で未だに独りで暮らしている。

ヘルパーさんに来ていただいたり、
入浴介助も受けている義母。

デイケアにも通っているので、
【完全に孤独】な状態ではないのがいいのかもしれない。

色々病気もあり、コロナ禍には骨折入院もした義母だが、
未だに元気に、いや、元気過ぎるくらい日々生活している。

※義母についての過去記事はこちら


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義母はある時期から 週三回 人工透析を受けている。

かつての私の知人にも、若い頃から人工透析を受けていた人がいたことや、
私の友人が透析クリニックで働いているので、
気を付ける点や、患者にとって大変な点は夫も、ある程度理解していた。

制限しないといけない 飲食物や
飲み合わせの薬など。

今でも毎晩 祖母と夫が電話で話すので
透析に限らず、主治医から言われたことを夫と改めて調べたり
夫が注意したり。
日々そんな繰り返しなのだ。

リンの値が高くなった時。

夫は繰り返し電話の向こうの祖母に言っていた。

「ええか、絶対さかなの形したものはたべたらあかんで」

それでも おそらく食べてしまったのだろう。

リンの値が下がらないときには

「あんなぁ、さかなの形したままのもんはあかん、言うたやろ?
切り身や。切り身なら食べてもええから」

ある程度、ヘルパーさんに食事(管理)はお願いしていても

厄介なことに

義母はけっこうなチャレンジャーだ。

「これ食うてもうたわ」

後から報告されて、あちゃー...となるものが多い。

先日もお正月に備えて餅をたんまりと買ったと聞いたときには
夫と二人で、笑いながらもさすがにこわかった。

あの量は私たちふたりでも食べられへん、と思うからだ(思わずエセ関西弁で、すみません)

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こんなことがあった。

ある時、夫が電話のあと、ぐったりしながら戻ってきた。

どうしたのか聞いてみる。

すると、義母が コーヒーゼリーを1日二個も食べていたそうなのだ。

その話を聞いていると、失礼ながらも笑ってしまう。

義母の他の持病や、透析患者ということを考えると
コーヒーゼリーを1日二個というのは
さすがにあかん。

だから夫も

「二個は食い過ぎやろ?せめて一個やな」

と懸命に言ったらしい。

それでも

「なんであかんの?」

という義母。

よくよく振り返ると義母の透析が始まってから、こんな会話ばっかりだ。

水分含めてさまざまな制限を我慢しなきゃいけないのは辛いのはわかる。

けれど、義母の場合、まるで校則にひっかかるか、セーフかを試しているかのようにチャレンジしているように私には見える。

それにしても、なんでお年寄りって
コーヒーゼリー好きなんだろう。

病院勤めしていたときにも
明らかに持病考えると、それ食べたらアカン、な はずの おばあちゃんやおじいちゃん患者さんたちが
コーヒーゼリーの差し入れをくれたりした。

そして、私の祖母(母方)も
1日に朝食りんごヨーグルト2つとコーヒーゼリーは止められなかった。

「先生に怒られるよ。せめて一個にしよう」

そう言うと祖父は決まってこう言った。

「(それ以上)言うなって。すきなもの食わせてやりたいから」

それを言われると何も言えなかった。

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昨年秋、夫が帰省した。

※その帰省関連の記事はこちら


祖母や義兄夫妻と会ったときに帰りに喫茶店に行くと
祖母はちゃっかりコーヒーゼリーを頼んだそうだ。

「コーヒーゼリーあるわ♪」

夫が途中で食べてあげるつもりだったのに完食したらしい。

いつも私は、生命力の強さを義母に感じる。

さて、今日の義母はまさかまた何か食べたり飲んだりしていないだろうか。

心配しつつも、日々の報告が楽しみではあるのだった。

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