病院広報バロンデセ

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  • 看護師採用サイトをつくる(全6回)

  • 病院コミュニケーション

    病院の広報やプロモーション、患者・その家族・地域住民あるいは病院職員・求職者とどのようにコミュニケーションを図ったらよいか、のヒントになるものを集めています。

最近の記事

[看護師採用サイトをつくる⑥]看護師採用ホームページでよくあるお悩みと解決策

本連載、今号が最終回となりました。今回はいろいろな病院看護部からよく聞く「採用ホームページの困りごと」を中心に、解決方法や考え方をテーマ別でお話しします。 お悩み① ホームページを作ることが決まったが載せるものがない謙遜なのか嘆きなのか「うちの病院は大したことないから」とよく耳にします。改めて「看護部の“売り”は? 特長は?」と聞かれてスラスラとお答えになる方はなかなかいらっしゃいません。そんなときは視点を変えましょう。発信したいことを探すのではなくて、学生や求職者が知りた

    • [看護師採用サイトをつくる⑤]誰がホームページを作るべきか? 制作会社の探し方・付き合い方

      これまでの過去4回の連載で「ホームページの“考え方”は何となく掴めたきたけど、“作り方”がわからない」と感じている方も多いのではと思います。あるいは業者選定に失敗したご経験がある方や、看護部と制作会社の間に入る事務方の動きが……という方もいらっしゃるかもしれません。連載の残り2回では、実際の現場での助けとなるよう、ホームページ業界の事情もお伝えしつつ、院内の関係者の皆様に必要な情報をお届けします。 今回のキーワードは看護部ホームページを「どこに作る?・誰が作る?・いくらで作

      • [看護師採用サイトをつくる④]ホームページだけは過去の話 差が広がるSNS・動画活用

        “ホームページだけ”の時代の終わりネットの採用活動がホームページだけでは対応しきれない状況になりました。つまり、ホームページに文章と写真を載せるだけでよい時代の終わりです。 今回、ホームページの話から少し脱線しますが、視野狭窄に陥らないためにもそれと隣接するSNS・動画についてもお話をしようと思います。 2020年からのコロナ禍で状況は急加速で一転。採用担当と求職者・学生が会えなくなるという想定外の事態が起きました。採用活動の主軸ともいえる学校訪問、院内説明会、合同説明会、

        • [看護師採用サイトをつくる③]病院と看護学生・求職者の間にある”溝と壁”

          「病院のホームページはいいことしか言わない」“ブラック企業”という言葉に象徴されるように、職場の待遇や労働環境に厳しい目が向けられています。病院職員の採用でも「ブラック病院の見分け方」「ブラック病院の特徴」といった見出しがネット上には踊り、「職員の年齢層がベテランばかり(若い看護師への対応が厳しいから)」「勉強会や飲み会への強制参加を求められる(勤務時間外の業務がある)」などがブラック病院の典型例として挙げられています。 特に既卒者・中途採用では、現職や前職で不遇や苦い経験が

        [看護師採用サイトをつくる⑥]看護師採用ホームページでよくあるお悩みと解決策

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        記事

          [看護師採用サイトをつくる②]ホームページは採用強化の切り札ではありません

          存在を知られていない病院は探してもらえないいわゆるブランド病院は、何をしなくても人が集まります。うらやましい話ではありますが、有名になるための工夫や戦略の結果ともいえ、相応の労力やお金を投資しているのかもしれません。大学病院・公立病院・公的病院などは、そもそも持っている知名度もあり、悔しいことですが「人を引きつける力」は平等ではありません。「無名病院」はそれなりの戦い方が必要です。でもその解決策が「良いホームページを作ること」というわけではありません。なぜならホームページは「

          [看護師採用サイトをつくる②]ホームページは採用強化の切り札ではありません

          [看護師採用サイトをつくる①]採用ウェブサイトは何のためにある?

          採用視点で見る残念な病院ホームページ突然ですが、自院のホームページが次に該当するようでしたら見直しが必要かもしれません。 「急募」の求人情報が載り続けている。 募集要項にハローワークとまったく同じ内容を載せている。 退職者の写真が載っている。特に掲載承諾も得ていない。 学生・求職者向け情報と患者向けの情報が混在している。 どうやって応募するのかわかりにくい。採用担当者を明記していない。 良い面だけを載せて夢のような職場に見られようとしている。 当てはまるものはあ

          [看護師採用サイトをつくる①]採用ウェブサイトは何のためにある?

          書評・読書メモ:医学書院『病院』 特集「ステークホルダーマネジメントとしての病院」2018年2月刊

          これまでにも病院広報を論じる書籍はありました。多くは執筆者の活動や事例をまとめたハウツーを披露する、あるいは広報に取り組む上での信念や心構えを記したエッセー風でした。これはこれで現場の実践的なヒントや手がかりとして有用ですし、ユニークな知見を得られる点で有用です。 一方で、事実ベースであったり属人的であったり「その病院だから、その人だからそれが成立したのだろう、成功したのだろう」という、再現性や一般化という点で頼りない側面がありました。あるいは広報と題しつつも、実態はAID

          書評・読書メモ:医学書院『病院』 特集「ステークホルダーマネジメントとしての病院」2018年2月刊

          書評・読書メモ:医学書院『病院』 特集「戦略的病院広報」2022年11月刊

          「ステークホルダーマネジメントとしての病院広報」(2018年2月号)以来の広報特集号です。 本特集のサブタイトルには「病院の魅力を高めリスクを減らす」とあり、攻めと守りの両面にまつわる論考で構成されています。具体的な取り組みとその成果に留まる論考もあり「戦略的広報」とはどういったものか、読者には大枠の概念が伝わりにくい懸念はありつつも、病院ができる多彩な施策の「最新ショーケース」として価値があるのではないでしょうか。 病院マーケティングの本質と戦略的病院広報の勘所小倉記念病

          書評・読書メモ:医学書院『病院』 特集「戦略的病院広報」2022年11月刊

          書評「地域に伝えたい!やさしい病院広報の教科書 なるほど医療介護経営」

          コロナ禍で病院広報として何をしたらいいのか? 病院広報により病院をブランディングし、地域とのつながりを持つことを、対談形式でまとめた一冊。広報の取り組みとしての新しさ、考え方の革新性があるわけではありませんが、社会のかたちが変わり、これまでとは違った集患が求められる今、改めて病院広報が何をすべきか、何ができるかを問い直すきっかけとしては、よいコンセプトの書籍だと思います。 本書は2部構成で、東日本税理士法人 長英一郎さんが、前半はNPO法人メディカルコンソーシアムネットワー

          書評「地域に伝えたい!やさしい病院広報の教科書 なるほど医療介護経営」

          患者向け医療機関検索プラットフォームは医療サービスか

          先日、病院検索サービスのビジネスパターンをまとめた記事を拝見しました。 普段から思うところがあり、以下の引用ツイートをしましたところ@aritaku03さんから「異質とは?」「高い倫理観とは?」とご質問をいただきました。かなり感覚的に発言してしまったとはいえ、当事者の方からの投げかけには真摯に答えるべきだと考えておりましたら、長文化してしまいましたので、こちらに記します。 医療は選択と誘導が自由な市場であるここでは医療機関選択に限りますが、なぜそもそも、患者(被保険者)の

          患者向け医療機関検索プラットフォームは医療サービスか

          病院ホームページのアイデア集

          病院ホームページのアイデア集

          医療機関の感染対策アピール事例集

          新型コロナウイルスの感染拡大で不安を感じる患者が受診控え、医療機関の経営に打撃を与えているという報道を連日のように見かけます。 患者側が失業や減給で医療費を捻出できず受診を諦めるというケースもあるようですし、やはり感染の不安と体調を天秤にかけ、積極的な受診を選ばない方は多いようです。厚労省も「過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります」として広報を強化しています。 第3波の予兆もある中、いかに医療機関へ足を運んでもらい、適切な医療を受けようという気持ちに

          医療機関の感染対策アピール事例集

          済生会横浜市南部病院のホームページを分析する

          よいホームページとはどんなものでしょうか。病院からホームページ制作の依頼をいただくとき、多くの方は「きれい」「読みやすい」「わかりやすい」といった想いをまず口にされます。確かに印象がよく、情報が整理されていることは大事な要素ではありますが、それとは一線を画し、社会状況や人口動態からホームページはどうあるべきかを病院職員の立場から語る下記の記事に衝撃を覚えました。 この記事で急性期病院が患者獲得に必要なものとされているのは、今日現在「地域医療連携の強化」であり、メインターゲッ

          済生会横浜市南部病院のホームページを分析する

          「生き残りをかけた病院ホームページ」を取り巻く環境

          「病院マーケティングサミットJAPAN」の中核メンバーのお三方が、 次のような視点で病院のウェブサイトの現況やあり方について示唆しています。SEO、ブランディング、モバイルフレンドリーなど話題が多岐におよんでいますが、ここでは竹田氏の記事をベースに共感できるところ、補足したいところ、あるいは別の考え方もできるのでは、というあたりでフォロー記事を書いてみました。 病院経営事例集「生き残りをかけた病院ホームページ 〜選ばれるためのホームページとは〜―病院マーケティング新時代(5

          「生き残りをかけた病院ホームページ」を取り巻く環境

          プロフィール

          制作ディレクター、広告広報プランナー、医療経営士 1976年生まれ。 医療に特化した広告代理店業の制作事業に携わる中で、医療機関には“自前で”広報誌発行やホームページ管理したいとニーズが高いことを知り、制作物の受託以外でのかたちで広報活動をサポートできないかと考えはじめました。twitterアカウントでは「医療機関コンサルタントが言及しない広報の考え方」「院内の広報担当が悩みやすい情報発信のノウハウ」を中心に情報提供をしています。 1990年代のネット黎明期からホームページ

          病院で広報担当になるためのキャリアパス

          先日、TwitterのDMでこんな質問をいただきました。 以前から医療に携わる仕事をしたいと思っており、総合病院で広報を担当したいと思うようになりました。しかし、求人サイトなどで総合病院、大学病院などの広報担当の募集は少ないようでした。病院の広報職になるのは難しいのでしょうか?また、病院や医療関係会社で広報マーケティングを担当されている方は、どのような経歴で仕事をされているのでしょうか? DMでちゃちゃっと返信しようかと書いているうち、思いのほか長文になってしまい、DMに

          病院で広報担当になるためのキャリアパス